「誰かの期待に素早く応えること」はビジネスパーソンに求められることの一つです。しかし、誰かの期待に応えるだけで良いのだろうかと、不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回Being編集部が話を聞いたのは、ブライダル系のベンチャー企業に勤める小島英樹さんです。

小島さんは新卒で入社したブライダル企業で、全国2番目の速さで支配人に就任。現在勤めている企業では、最短2か月で経営陣に昇格するなど、側から見たら順調に進んでいると思えるキャリアですが、本人の中では違和感が募っていったそう。

そこで受けたZaPASSのコーチングを通して、“自分に対する思い込み”に気づき、働き方や生き方が大きく変わったと言います。

一体どんな思い込みが外れたことが、転機になったのでしょうか。周囲の期待に応えられるよう頑張るなかで、一度立ち止まって、自分の性質や将来を考えたい人に、届けたい1本です。

(※本記事は2020年に取材したものをリメイクしてお届けしています)

全く思いもしなかった「本来の自分」との再会

僕がコーチングを受け始めたのは、2019年の夏頃です。普段は、ブライダル関係のコンサルティングをしているベンチャー企業で、人事統括を担当しています。とはいえ、採用や研修だけでなく、現場の営業に至るまで幅広くやっているので、基本的に忙しい毎日です。

常に仕事に追われるような感覚で、目の前のタスクを片付けるのに必死。自分のことを深く考える時間なんてほとんど取れません。ましてや自分は、社内初の人事なので、業務内容を相談できる相手が職場にあまりいませんでした。

思えば、「2年経ったら独立を検討します」と社長に伝え、この会社に転職。ただ、自由にやらせてもらえる何不自由のない環境の中で、気づけばすでに4年の月日が経っていました。正直“考える時間をとらないと、自分を見失ってしまうんじゃないか”という気持ちはありました。たぶん、会社でやろうとしている施策だけでなく、自分の将来や生き方を含めて誰かに相談したかったんだと思いますそこで受け始めたのがZaPASSのコーチングでした。

コーチの岡田さんと初めて話した日、びっくりしたことを覚えています。僕、コーチングは“アドバイスを受ける時間だ”と思っていたんです。だからメモ帳とペンを用意して、完全に学ぶ姿勢でいました。

しかし、岡田さんはほとんど喋らない。問いかけるだけで、基本は僕の話を待っているんです。次第に「あぁ、自分の答えを出していく場なんだ」と気がつきましたね。最初は話が全然まとまらなかったのですが、気づけば感じたままにどんどん打ち明けていました。

仕事のことからプライベートのことまで…利害関係がないからいろんなことを話せるんです。「本当はこう思ってたんだ」という“自分のありのままの気持ち”をたくさん知っていき、頭のなかがクリアに整理されていくようでした。

大きな体験は「自分に対する思い込み」に気がついたこと。もともと、自分のことは“指示を受けたら素直にやる方だ”と思っていました。求められた仕事に応えて、社内の売上、実績を出してきたから。

でも、頼まれたことに一度は反射的に「はい」と答えたものの、進める気持ちにならないことは多々あって。「納得しないな」「違うと思うんだけどな」と心の中で思い、嫌々やっている自分がいて、そういう時は全然うまくいかないんです。

そんな胸の内を岡田さんに伝えていくうちに、自分は期待に応えるために演じられる方だと思っていたけど、もしかして本当は我が強いのかも——と。正直ハッと驚きましたし、笑えてしまうくらい恥ずかしさがありました。

思い出せば、中高くらいの時から、人に嫌われないように期待に応えるキャラを演じていたんです。周囲に好かれるために、わがままさは自分のなかに隠してきた。でも本来は、我が強い。そう気づいて、これまで上手くいかなかった仕事のパターンに納得しましたね。また、本来の自分が解放されたからか、仕事にポジティブな変化が生まれていったんですよ。

たとえ役職やお金が無くなっても、自分らしく生きていける

これまで周囲の顔色を伺っていた経営会議では、率直に発言できるように。伝えるその一瞬は緊張しますが、運営的には結果良い方向に進むことが多く、自分の考えを抑えないことの価値を感じるようになって。

すると、クライアントにも立場関係なく、伝えるべき時には「違うことは違う」と言えるようになったんです。結果、根本的な課題に対しコンサルティングができるようになり、より信頼いただけるようになりましたし、業績が3倍になった企業も。

仮に、動いた結果うまくいかなかったり、トラブルが起きてしまっても、誰かや何かのせいにする気持ちは生まれません。だって、自分が納得の上でやっていることで、人に言われたことじゃないから。コンサルティングをしていたクライアント企業からは、そうした業績をみて、取締役就任の話までいただきました。

特に嬉しかったのは、前から考えていた「独立したい」という自分の気持ちを再確認できたこと。今はいつ独立するとしても、怖くはありません。だって“たとえ役職やお金、自由な仕事が無くなったとしても、自分らしく生きていける”と思えるようになったから。“我の強さ”という自分の性質に気づいて、今は前向きにそれを活かせている。僕の気持ちと考えに伴走してくださった岡田さんには、心から感謝しています。

時間軸を伸ばす「問いかけ」でチャレンジが明確に

思えば僕の「誰かの期待に素早く応えねば」という思考のクセは、必死に働いてきたからこそ身についたもの。そのおかげで上手くいったことも多かった。しかし、誰かではなく自分の為に、納得いくまで考えを深める時間をとったおかげで、クセから抜け出すことができ、自分らしい挑戦の形や生き方が見えてきたのだと思います。

コーチングでは「未来はどうなっていたいですか?」という3~5年先について、よく問いかけて頂きました。時間軸を伸ばして考えると、目の前の仕事に没頭していた自分の思考を広げてくれます。

また、何かしらの答えを期待した「質問」ではなく、僕自身が納得いく答えを見つけるまで待ってくれる「問いかけ」がポイントだったと思います。もし、答えを待つ「質問」をされていたら、僕は期待に応えるための回答ばかりしていたかもしれない。「問いかけ」のおかげで、ありのままの素直な気持ちに辿りつけました。
これから僕は、取締役に就任するのか、どのタイミングで独立に挑戦するか、まだ模索中ですが、どの道にいくとしても怖くはありません。どの選択をしたとしても、本来の自分を解放しながら、納得感を持って自分の人生を生きたいと思います。

[取材構成編集・文] 水玉綾、林将寛  [撮影] 戸谷信博

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組織と事業の成長、取り巻く環境変化のなかで
ときに矛盾や葛藤、経済合理性にもがきながら
彼らがBeing-在り方-を磨いてきた過程とは。

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さあ、本当の願いからはじめよう。

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