リモートワークの普及や、働き方改革によって、副業やダブルワークを行うビジネスパーソンが増えてきました。複数の仕事に対して、自分の能力や時間をどのように割り振るべきか、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

健康や場づくりの事業を通して、クリエイティブの可能性を追求する藤井翔太さんは、自社事業を行いながら、大企業のR&Dや経営企画室、ベンチャー企業のクリエイティブワークなど幅広い領域で活躍されています。

興味があることに次々と取り組んできた藤井さんですが、働き方のバランスを見直したいと考えZaPASSのコーチングセッションを受けることに。「初めは“思考の整理”くらいに考えていましたが、振り返ってみると、“夢物語を現実にしていく人生の始まり”だった」と、感想を語ります。

藤井さんに起きた心情の変化と、複数の仕事に取り組む上で大切な考え方ついて聞きました。関わる複数の仕事を見つめ直し、納得感を持って歩みたいと願うあなたに届けたい一本です。

(※本記事は2020年に取材したものをリメイクしてお届けしています)

“思い込み”から解放されて、辿り着いた素直な道

僕がコーチングを受け始めたのは、2019年9月頃から。大学を卒業してすぐに、右も左も分からない頃から会社を運営して、気づけば31歳。意気投合した人と色んなプロジェクトを立ち上げてきました。今では自社事業に加え、他社に参画する形で、クリエイティブの可能性を追求しています。

僕は、人と一緒に何かをつくることが本当に好きなんです。面白い話に「藤井くん」と頼まれることがすごく嬉しくて。だから、いつの間にかキャパオーバーして、楽しくて始めたはずのプロジェクトが、「やらなければならないもの」に変わってしまうこともありました。

そのうちに、事業を推進する役割と、クライアントワークで求められる役割の、2つのバランスに難しさを感じるようになって。そんな時にZaPASSを知り、一度自分自身でも整理したいと思い、コーチングを受け始めたんです。

あれは、3回目のコーチングだったと思います。仕事のバランスについてコーチの宮本さんに話をしました。自社事業のアウトプットはもっと加速させたいけれど、社会課題の解決に繋がるクライアントワークにも可能性を感じていること。デザインだけを納品して、本当の意味で社会が変わるまではやり切らないことに、モヤっとした気持ちがあること。一緒に仕事をしたい人たちがたくさんいること。

まとまらない気持ちをそのまま打ち明けると、宮本さんから「藤井さんにとって、両方ともたまらなく大事な時間だと思うのですが、『両方が好き』って言ったらダメなんでしょうか?藤井さんにとっての快はなんですか?」と聞かれたんです。

確かに僕は、なぜだか“両方を大事にすることはできない”と思い込んでいました。今ある前提を疑って提案することを仕事にしているのに、自分のことになると一人で考えて、前提を疑っていなかったんだ、とハッとしましたね。

振り返ると、これまで高い価値を発揮できたときは、自分のなかでの快・気持ちのいいことを自然とやっていた時でした。ただ、求められる役割がtoo muchになったり、部分的すぎると他の人がやっても良いように感じることがあっただけ。それが課題であれば、事前にすり合わせをすれば解決できることですし、自分にとっては快を大事にすることが良さそうだと分かったんです。

モヤモヤの正体が整理されて、スッキリした気持ちになって、その日を境に、自社事業もクライアントワークも“どちらも大事にしたい”と以前より強く思いましたね。

もちろん、求められている責任は期待値を超えて果たしている上で、が前提ですが。

その為にも「もっと自分をむき出しにしよう。提供できる価値を含めて、ちゃんと周りに伝えていこう!」ってもちろん、今一緒に動いている周りの人と色々調整をしなきゃならないという怖さは感じましたが、パワーが湧いてきて、好循環の流れに乗り始めたんです。

「まあいっか」を手放して、本物の自分で人を巻き込む

誰かが発した思いや課題ではなく、「こうなったらいい・こうありたい」という自分の思いを、これまで以上に全力で表現するように。仲間と深い対話をする時間も増えたし、「できたらいいよね」ではなく「これ絶対にやった方がいいと思うんです!やりたいと少しでも思うならやりましょう。そうじゃなかったら一回僕でカタチにしてみます。」と、ハッキリと伝えられるようになっていきました。

人のせい・時代のせいにして、見て見ぬ振りをしていた自分の中にある、“まあいっか”を手放せたのかもしれませんすると、思ってもみなかった共感——プロジェクトの立ち上げの段階から興味を持って下さる方が増え、小さなプロジェクトの存続のために、大企業が参画してくれるようになったり——が生まれていきました。全力の思いをぶつけて、より賛同してもらえるようになって、本当に嬉しいです。

もちろん、たくさんのプロジェクトを走らせて、未だにキャパオーバーになりそうな時はあります。でも、前のように悩むことはない。自社事業とクライアントワークの両方を大事にしたいし、そうできるように、どんな時でも本物の自分で関わっていけばいいと知ったから。

コーチングを受け始めてから、どんどん夢物語が、現実になっています。3年前は理想論だった、とある公園のための取り組みは、今までにない新たな取り組みとして実現し、コロナ禍で難しいことはありますが徐々に理想に近づいています。自社とクライアントワークを通して、いろんな人を巻き込む僕をみて、クリエイター仲間は「翔太っぽいし、やっと抜けた感があるな」と言ってくれていますね。

純粋な願いから、現実を変えていくクリエイターに

僕は昔から、仕事においても人生においても「どの道に進むのが正解か?」と迷いながら生きていました。誰も教えてくれないから、自分で正解の道を見つけないとって。例えるなら、暗闇に一点の光を見出して、あそこに向かうんだと頑張る感じ。ポジティブに振舞っていたけれど、自分でその光を狭めて孤独感や不安を感じることもありました。

僕が受けたコーチングは、どの光が正解かを教えてくれたわけではない。様々な切り口の問いで視野を広げてくれて、まるで目の前を覆っていた暗闇を晴らすように、正解を求める思い込みから、僕を解放してくれたんです。“進み切れば、どの道でもいい”のだから「どう取捨選択するか?」ではなく「どう全部やるか?」と、クリエイティブな思考ができるようになりました。

最近は、副業やダブルワークをする人が増えていますね。自分の能力や時間をバランスよく割り振る生き方もできると思いますが、100%を超えて生きたいならば、「こうしたい!」という願いを見つけることが大切ではないでしょうか。出来ることをやるのではなく、やりたいことを出来るようにするという考えが、想像以上の未来を引き寄せると思います。僕はこれからも、心の底から湧き出る願いを元に、夢を現実にしていくクリエイターであり続けたいと思います。

[取材構成編集・文] 水玉綾、林将寛、佐藤史紹  [撮影] 藤井加純

Beingは、
ひたむきに生きるビジネスパーソンが打ち明けた、
純粋な願いたちを集めました。

人として、組織として、社会として、
本当はどう在りたいか。

組織と事業の成長、取り巻く環境変化のなかで
ときに矛盾や葛藤、経済合理性にもがきながら
彼らがBeing-在り方-を磨いてきた過程とは。

ここでしか語られることのない
飾らない言葉たちを分かち合います。

さあ、本当の願いからはじめよう。

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