「組織が目指すビジョン」と「個人の理想」を重ねていくことは、やりがいを感じながら働く上で重要なポイントです。しかし、会社の成長速度や事業フェーズによって、自身の目指すビジョンや理想の働き方が重ならず、葛藤を感じたことのある人はいるのではないでしょうか。

今回Being編集部が話を聞いたのは、株式会社CRAZYの執行役員を務める吉田勇佑さんです。

2019年2月に創業者が生み出した新規事業の責任者に。その後、コーチングを始め、“個人の思いと事業のビジョンが重なった”ことを機に、事業が軌道にのりだし、執行役員に就任して今に至ります。

彼の変化を伺うと、在り方を磨く重要なヒントが見えてきました。必死に働くなかで、自身の理想を改めて見つめたい人と、分かち合いたい1本です。

(※本記事は2019年に取材したものをリメイクしてお届けしています)

「この事業をやる目的」が腑に落ちた衝撃的な一瞬

僕がコーチングを受けはじめたのは、2019年7月。株式会社CRAZYで新規事業のIWAI OMOTESANDOを開業して半年が経った頃でした。僕はもともと人事責任者を担当していましたが、開業半年前に、事業を正式に任されることになりました。

創業者のインスピレーションから生まれ、会社として莫大な投資をした事業。当然プレッシャーを感じながら、日々めまぐるしく働きました。新規のお客さん向けの営業や、オペレーションの構築、ときにお客さんからご意見をいただき悩むこともありましたが、手を止めることなく走りました。

そんなある日、同業である婚礼業界のベテランの方々から「なぜ、これまでとは全く違うビジネスモデルの事業を始めたの?」という問いをもらったんです。100%コミットすることを決めて駆け抜けてきた僕なりの思いは“業界の本物”に響きはしませんでした。創業者から引き継いだ、受け売りの言葉を並べていたんでしょう。

そのとき、本当の意味で自分の事業だと思えていないこと、個人の理想や信念と、事業の実現したい未来が深く統合されていないことに、気がついたんです。そんな悶々としているときに、友人の紹介で出会ったのが、コーチの垂水さんでした。

社内の仲間やメンターには、もうすでに自分のイメージが出来あがっているため、原体験や価値観を改まって話すことはありません。垂水さんとは初めましてだからこそ、洗いざらい全て打ち明けながら、考えていることを整理していきました。

垂水さんは「なるほど、吉田さんはこうしたやり方で業界そして社会に新たな風を吹かせようとしているんですね」「今の仕事に向かっている意味はこういうことなんですね」と、受けとめてくれて。全力で味方でいてくれている安心感を感じました。

中でも印象的だったのは、自分で言うのは恥ずかしいですが「吉田さんは、この業界の坂本龍馬になるんですね」という言葉。そう言われたときに、一瞬の出来事でしたが、ハッとしたのを覚えています。

婚礼業界に新しいスタイルを広げていく為に、今は社内外問わず仲間を増やしている。そして、この新しいスタイルは、家族とのつながりや、人生への承認など、自分が一生をかけて成し遂げたいことに繋がっている——

そう気づけたとき、個人の目的と、会社から任された新規事業の目的が、統合されるような感覚がありました。それは、今思い出しても衝撃的な一瞬でしたが、以降感じていた葛藤は消えてゆき、仕事が加速度的に面白くなっていったんですよ。

「守りたいもの」が自分からお客さん、そして社会へと変わっていった

その後、コーチングを通して整理された事業の未来を、仲間にも共有したいと思い、全社員の前でプレゼンをしました。社内だけでなく、社外の婚礼業界の方々にも。次第に共感する人たちが増えていき、今では業界のコミュニティを運営するまでに。

また、これまでずっと課題視していた自分の特性にも変化が訪れました。人の気持ちを想像するあまり、厳しい状況下で伝えるべきことをハッキリと言えない弱さが、次第に薄まっていったんです。人生で叶えたい思いと事業が強くリンクしたことで、守りたいものが「自分や仲間の気持ち」から「お客さん」、そして「社会(業界)の未来」と変わっていったのかもしれません。

今相手に優しくすることは、結果誰のためにもならない。幸せにしたいお客さんや社会のために、時には仲間に厳しく伝えることは必要だ、と覚悟が決まりました。なんだか、長く追い求めていた自分に、今やっと出逢えた気すらしています。

行動だけでなく在り方レベルで事業へのコミットメントが変わり、新事業は開業初年度の目標を達成。社内では表彰をいただき、2020年3月には執行役員に就任することになりました。

僕自身、相談できる人やメンター的な先輩方は周囲に多くいるので、正直コーチングは「1回受けたら終わりかな」くらいに思っていましたが、気づけばもう9ヶ月。いや、たったの9ヶ月で、こうした変化に伴走してくれた垂水さんに、本当に感謝しています。

内面が変わると、振る舞いや言動が変わっていく

垂水さんはコーチングの中で「地球や世界規模でみると様々な課題があるなかで、自分のリソースをどこに使いたいですか?」など、思考の制限を取っ払うような質問をたくさんしてくれました。

そもそも一人の個人として自分の命をどこで活かすのか。社内では語られない抽象度の高い問いかけによって、まっさらな気持ちで自分の本心と向き合えたのだと思います。

会社のビジョンに向けて必死に働く人ほど、自分の人生の目的、理想を改めて問い整理していくことで、個人的な思いと事業が強くリンクし、仕事により集中できるようになるはず。また、その過程で、僕のように課題視していた特性が薄れるなど、内面が変わることで、振る舞いや言動が変わっていく

時に弱さを含めて話を聴いてもらい、「あなたは心がまっすぐだから、ビジョンのために生きてください」と背中を押してもらったことに感謝しています。垂水さんとのコーチングで気づかせてもらった、“婚礼業界の坂本龍馬”になるべく、引き続き走りたいと思います。

[取材構成編集・文] 水玉綾、林将寛  [撮影] 戸谷信博

Beingは、
ひたむきに生きるビジネスパーソンが打ち明けた、
純粋な願いたちを集めました。

人として、組織として、社会として、
本当はどう在りたいか。

組織と事業の成長、取り巻く環境変化のなかで
ときに矛盾や葛藤、経済合理性にもがきながら
彼らがBeing-在り方-を磨いてきた過程とは。

ここでしか語られることのない
飾らない言葉たちを分かち合います。

さあ、本当の願いからはじめよう。

メディア「Being」は
ひたむきに生きるビジネスパーソンが打ち明けた、
純粋な願いたちを集めました。

人として、組織として、社会として、
本当はどう在りたいか。

組織と事業の成長、取り巻く環境変化のなかで
ときに矛盾や葛藤、経済合理性にもがきながら
彼らがBeing-在り方-を磨いてきた過程とは。

ここでしか語られることのない
飾らない言葉たちを分かち合います。

さあ、本当の願いからはじめよう。