メンバー層と経営層の中間に位置し、会社の成長と共に役割の重要性が問われるのがミドルマネージャーというポジション。プレイヤー時代に求められる “コト” へのマネジメントに加え、ミドル層は “ヒト” へのマネジメント力も求められます。

今回、お話を伺ったのは、株式会社イルグルムのCEO岩田さんと、人事戦略室長の廣さん。同社は上場後、6年にわたって抜本的な組織改革を進めており、特に最近ではミドルマネジメント層の強化に力を入れていました。

彼らは上場後の組織変革に、どのように向き合ってきたのでしょうか。また、ZaPASSが提供するコーチング型マネジメント研修を通して、生まれた変化とは。組織変革の設計から、実際にチームに起きた変化まで、2人に語っていただきました。

会社が次のステージに行くための「ミドルマネジメント層の強化」

岩田さん:株式会社イルグルムは、2001年に創業し、13年後の2014年に上場しました。その後、パブリックカンパニーとして会社が次のステージに行くには、組織規模を拡大し、社員一人ひとりが自律的に動ける組織を作る必要がありました。抜本的に組織設計を見直さなければと考えたんですね。

変革するも腐るもまずは上から、が組織の鉄則。まずは経営陣のレベルを上げるために、外部から取締役を招聘しました。次に、本部長・執行役員のレベルを上げるべく、育成に着手。実力に応じてポジションを入れ替えるという、社内競争も促しました。6年かけて、これらの循環が一定出来あがり、ようやく最近になって、ミドルマネジメント層の抱える課題に着手できる状態になったんです。

廣さん:当時、コロナの影響もあり、マネジメントの難易度は上がっていて、部長や課長レベルのミドルマネジメント層の引き上げが急務でした。実際、人事である私のもとに「うまく意思疎通ができず悩んでいる」という相談が増加していて。そこでご縁があったのが、コーチングサービスを提供しているZaPASSさんだったんです。

研修効果を最大化する為に行った「評価制度の改善」

岩田さん:ZaPASSさんにご依頼する前に、会社として既に組織改革を設計していました。その一環として「評価制度の改善」を実施していました。

評価制度は、育成の生産性を高める、根本的な下地作り。なぜなら、仮に育成研修を実施するとしても、受講する張本人が「すでに自分は出来ていますけど」というスタンスでは、学びの密度は低くなってしまう。まずは、現状の評価を正しく知って、自ら学びたいと思う状態を作ることが重要です。

そこで、調査による自己評価と他者評価のギャップを可視化し、自己評価よりも他者評価が低く、改善や成長を希望するメンバーに対して、研修を提供しました。その方がお互いにストレスがないし、学びの生産性が上がりますから。

廣さん:そうでしたね。下準備となる評価制度を整え、いよいよ学びを促進する機会を提供するタイミングで、ZaPASSさんに相談しました。研修では、一定の期間をかけて継続すること、日常の業務に役立たせること、メンバー間で双方向的に学ぶことの3つを大事にしようと伝えましたね。

岩田さん:そうだね。学びを一回で終わらせない為に、社内・社外の取締役、幹部が全員が参加してもらう場で、3ヶ月単位で報告をしてもらう形に設計して。

廣さん:研修を導入する人事の方はよく分かると思いますが、研修に関して、正直疑心や不安を抱いていた社員も多くいたと思います。なぜなら忙しい中で、業務に当てる貴重な数時間を投下するわけですから。でも、研修を経るごとに、入り込む姿勢や表情が明らかに変わっていったんですよ。

「上司と部下の関係性」が変化し、パフォーマンス向上へ

岩田さん:どんどんみんな前向きにのめり込むようになったよね。業務が終わってから、夜な夜な考えて議論している人もいましたね。

廣さん:研修で学んだことを議論し、実践するなかで、次第に「これは使えるぞ」と理解してもらえたんだと思います。研修の終盤には、みんなが集中して参加する空気感が全体として出来上がっていました。

中でも、新卒3年目のある女性営業マネージャーが、研修を受けて見違えるほど飛躍したことが印象的です。研修前は、新卒1年目の後輩とうまくコミュニケーションが取れずに悩んでいました。彼女はもともと営業部出身で、全社総会で表彰を受けるくらい優秀なプレイヤー。成果へのこだわりが人一倍強い人なんです。

そんな彼女が、1カ月、2カ月と研修によって変わっていく様子を目の当たりにしました。彼女は研修の中で、気づいたんだと思います。プレイヤー時代にやってきた感覚を、そのままメンバーに押し付けてしまっていたことに。そして、自分と相手は違うという前提に立ち、チームの成果に繋げるためにどのようなコミュニケーションを取ればいいのか、試行錯誤を始めていきました。

研修が始まって数カ月後のこと。彼女の後輩は、1年目とは思えない成長を遂げるまでに。「マネージャーが、気持ちを汲んでくれるようになったんです」と語っていましたよ。今ではこのマネージャーについていきたい、という気持ちが芽生えているのではないでしょうか。私自身、「この研修を実施して本当によかったな」と感動しましたね。

岩田さん:廣に戦略人事として今回の取り組みを牽引してくれていますが、成果が出始めていることを感じますよ。多くの人を動かすというのは、決して簡単ではない、難易度が高いミッション。ですが、ロジカル且つ誠実に進め、思いを持って取り組んだ結果、今回のような成果に繋がっています。これからが更に楽しみですね。

廣さん:良かったです。実は、組織サーベイにも変化が表れているんです。今回の研修の策定にあたり、サーベイの「上司との人間関係」という項目のスコアは、平均で5ポイント上昇。研修の成果として、会社全体に土壌となる人間関係が育まれつつあるのかなと、手応えを感じています。

組織の「要」となるミドル層の成長が、会社全体を骨太にする

岩田さん:いいね。今後も、ミドルマネジメント層同士で刺激し合って、高めていってほしいなと思っています。トップ層が司令塔的な役割だとすれば、ミドルマネジメント層は組織のエンジンであり、要となる存在。

ミドルマネジメント層が活躍すると、部下はどんどん成長していき、全体の成果向上に繋がります。また、今回研修を受けてくれたメンバーが、数年かけて経営陣・執行役員などの次のレイヤーへと育っていけば、いい意味で社内競争が生まれていくでしょう。こうして会社全体が活性化され、規模が拡大しても骨太な組織になっていくんじゃないでしょうか。

まだまだ道半ばですし、本取組が組織文化として定着するよう、頑張っていきたいと思います。また、社員のみんなには、自分の人生のオーナーとして、意思を持って歩んでもらえたらいいな、と思いますね。

廣さん:そうですね。今回研修の一番最後に、「この組織、このチームの、どんなところを誇りに思っていますか?」と講師に問われたのですが、あるチームは「こんな研修を受けられる、この会社にいられることが誇りです」と話をしてくれて。個人的にすごく嬉しかったんですよね。

イルグルムには、利他精神と利己精神のバランスが取れていて、自分のためにも誰かや組織のためにも頑張れる、誠実な頑張り屋さんが多いと思っていて。そんなイルグルムの人たちが大好きなので、彼らが持っている人間性や良さを大事にしながら、各自スキルを育ててほしいなと願っています。

一人ひとりが出せるポテンシャルを、高い次元で発揮して、全員が自己実現出来ている組織になれたら最強ですよね。皆のポテンシャルを引き出せるように、私も人事として頑張っていきたいと思います。

[取材構成編集・文] 水玉綾、林将寛  [撮影] 宮西範直

Beingは、
ひたむきに生きるビジネスパーソンが打ち明けた、
純粋な願いたちを集めました。

人として、組織として、社会として、
本当はどう在りたいか。

組織と事業の成長、取り巻く環境変化のなかで
ときに矛盾や葛藤、経済合理性にもがきながら
彼らがBeing-在り方-を磨いてきた過程とは。

ここでしか語られることのない
飾らない言葉たちを分かち合います。

さあ、本当の願いからはじめよう。

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