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個人の在り方
「これでいい」と思えた。本当の気持ちに向き合い続けたコーチング——同じ目線で寄り添ってくれるコーチ
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価値観が多様化し、正解の見えない時代だからこそ、自分の本心と向き合い、理想をデザインする力が今求められています。そんな中、コーチと共に理想を育み実現していくコーチングサービスZaPASSでは「#私のコーチ」という企画をお送りしています。
第9弾は、インターネット上で人と人がつながるからこそ起きるコミュニケーションの課題解決に取り組むアディッシュ(株)取締役の杉之原明子さん。
ZaPASSのコーチ・垂水さんと出会いを通して、本当にやりたいことを見つけ、“自然体で無理のない頑張り方”へと変わっていったそう。その変化のプロセスには一体何があったのでしょうか——。
私がコーチングを受け始めたのは、2019年5月でした。社会に出てから10年、組織の中で求められている役割を見つけては、期待に応える為に走ってきました。新規事業の立ち上げ、取締役就任、会社の上場…組織のために出来ることはなんでもやる。そうして自分の手で課題を解決すると、次の扉が開いていくループに夢中だったんです。
常に、目の前には刺激的な仕事があったので、自分の気持ちを内省することはありませんでした。思えば昔から、自分について考えるのは苦手で。親が言うとおり、いい大学に入れば、いい会社に入社できる。その考えから、就活の時には「あなたは何をやりたいの?」と問われて「え…!?」となったくらい。どの会社に採用されても頑張るのに、と思っていたんですよね。
コーチングを受けることを決断した時期は、ハードシングスと日々向き合っていた時でした。自分の気持ちを見つめることから逃げたまま、過剰に仕事をこなし、心と体はちぐはぐな状態。きっと、記事を読んでいる人の中には、同じ気持ちを感じた経験のある人がいると思います。自分の外側にしか拠り所がなくて、自分が死んでいく感覚、というか。
“そろそろ自分がやりたいことと向き合わないと、仕事人生が行き詰ってしまう——”そんなアラートが体中から鳴っていたんです。その時にすがるように始めたのが、ZaPASSのコーチングでした。
初めて垂水さんにコーチングをしてもらった日のこと。「今日はどんなことについてお話したいですか?」と聞かれた途端、涙が止まらなくなりました。“誰にも話せない”と抑えていたものが全て決壊したかのように。
実は、人生において強烈な出来事があって、そこで感じていた絶望は外に出さずに、蓋をしていたんです。責任感から明るく元気に振舞っていたけれど、本当はすごく無理がある状態でした。そんな中、垂水さんから問いかけられて、「話してもいいんだ」という安堵感で、ギリギリに保っていたものが一気に溢れたんだと思います。
最初の3分くらいは、泣きすぎて言葉が出てこなくって。「今、自分の中で何が起きてるんですか?」と問いかけられて、ようやく自分のことを話し始めたのを覚えています。それだけあの時は抱え込んでいたんですよね。
この状態から心底変わりたかった私は、垂水さんとのコーチングをきっかけに、毎朝思いついたことを書き留めていく「ジャーナリング」を始めました。感じていることや気付きを日記に残す。就活でも、仕事の中でも、これまで散々逃げてきた自分の気持ちと向き合うことを、意を決して始めたのです。
気づけば、苦手だったジャーナリングは習慣となり、少しずつ変化を感じていたそんなとある日、垂水さん自身が「自分事業計画書」というものを作ったと教えてくれました。人生のミッションとビジョン、これからやりたいことを計画書として書き出す、というものです。
直感的に「私もやりたい!」と思い、垂水さんに倣って自分事業計画書を作ることにしました。自分のミッションとビジョンになりそうなキーワードを見つけるために、参考にした1年分の内省のノートは3冊。1ページずつ、ジャーナリングしてきたことを確かめながら、これからやりたいことを書き残していきました。
これは計画書の一部になりますが、辿り着いた、自分のありたい姿です。
何かに挑戦する人は、荒波に揉まれ、時に自分を見失うことがあると思うんです。そんな彼らが、また荒波に立ち向かい挑戦していくために、エネルギー補給できるような存在でありたい。
ふと「寄港地」という言葉が浮かんだとき、「これだ…!」と感情が高まったことを覚えています。寄港地とは、航海中の船が立ち寄る場所のこと。人生そのものを旅に例えたこの表現は、もともと旅が好きだった私ならでは。「自分のやりたいことを表現するってこういう感じなんだ!」と、初めて組織ありきではなく、個人としての思いを表現することができて、晴れやかな気持ちでした。
自分事業計画書を作ってから、人生の指針ができて、私は結構変わったと思います。
市場価値が上がるんじゃないか、と考えて習得しようとした資格の勉強は辞めました。「これを達成しないと格好悪い」という気持ちや、人から求められる姿に応えるために、猪突猛進している自分に気づけるようになったんです。
他にも、これまで組織内で何か問題が生じた際には、極力手を上げて課題解決に動いていましたが、それも見直しました。もちろん、組織の課題を解決したいという思いは変わらず強く持っていますが、自分の指針と合うやりたい仕事に注力するんです。
だから今は、仕事を「頑張っている」という感覚がなく、自分のありのままを表現して、自然体でいられる。これは私にとって大きな変化でした。
人は1日の大半を、外側に意識を向けて過ごしていると思うんです。自分に意識を向けることはそう多くはありません。そんな中コーチングは、本当の自分を見つめられる時間だと思います。ひたすら組織の期待に応えてきた私が、初めて内省をし、その1年後には自分事業計画書を作れるくらい、やりたい方向性に気づけたんですから。
私にとって垂水さんは、恩師みたいな存在。一言問いかけをもらうだけで、涙が止まらなくなるような、限界直前状態だった時に…救われたことは間違いありません。たった月に1時間だけど、太い柱となって私を支えてくれていること、垂水さん本人に伝えたいです。本当に、感謝しています。
また、コーチとクライアントという関係性以上に、人として見てくれて、イベント登壇の機会から人の紹介まで、まるごと応援してくれる存在は、人生でそうそういません。背中を追いかけたい、一歩二歩も先を行っている先輩でもあります。
垂水さんのコーチングを通して、今私は、色んな人の可能性が最大化されるような世界をつくりたいと思うようになりました。中でも、まだまだ意思決定層に女性が少ない中で、女性の取締役という役割の自分ができることと向き合い、社会に波風を立てたい。女性リーダーが増えていく世の中に貢献できたら、「生きててよかったな」と思うだろうと、未来を考えるようになりました。
こうして組織ありきではなく、自分の気持ちを表現できるようになったのは、垂水さんが私の覆っていた鎧をはがしてくれたから。垂水さん、本当にありがとうございました。そしてこれからも1ヶ月に1度の時間、よろしくお願いいたします。
※垂水コーチのインタビュー記事はこちら
[取材構成編集・文] 水玉綾、林将寛 [撮影] 戸谷信博
Beingは、
ひたむきに生きるビジネスパーソンが打ち明けた、
純粋な願いたちを集めました。
人として、組織として、社会として、
本当はどう在りたいか。
組織と事業の成長、取り巻く環境変化のなかで
ときに矛盾や葛藤、経済合理性にもがきながら
彼らがBeing-在り方-を磨いてきた過程とは。
ここでしか語られることのない
飾らない言葉たちを分かち合います。
さあ、本当の願いからはじめよう。
メディア「Being」は
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