一度してしまったミスや失敗を、引きずったり繰り返してしまったり悩んでいる方はいませんか?そういった方におすすめの手法が「リフレクション」です。リフレクションによって、ミスや失敗が減り生産性が向上したり、変化に強い柔軟性が身につきます。今回はZaPASSのプロフェッショナルコーチである藤田コーチにリフレクションについて、お話を伺いました。リフレクションとはリフレクションという言葉は、鏡や水面で光が反射するように、純粋に「像が跳ね返ってくる」というイメージを持っています。そこから派生してさまざまな意味合いが含まれる言葉ですが、今回は起こったことを客観的に見つめるということに焦点を当ててお話をしていきます。より自分の感情を深く見つめることについては、内省の記事を参照ください。リフレクションとは、過去の経験を振り返り、考察することで、自己成長を促す行為を指します。「あの時こうすればよかった」と後悔するのではなく、状況に対する理解を深め、「次にどう活かすか」を考えるアプローチです。これは、経験学習において大変重要な役割を果たします。Michael Reynolds (2010)によると、リフレクションには以下のようなモードがあります。技術的リフレクション (Technical Reflection): 組織の問題に対する最も効果的かつ効率的な解決策を見つけることに焦点を当てる。整合的リフレクション (Aligned Reflection): 解決策や行動の基礎となる信念、価値観、規範が組織全体の政策や実践と一致しているかどうかを確認する。批判的リフレクション(Critical Reflection): 目的や実践が当然とされている条件に疑問を投げかけ、異なる利害が存在する可能性を認識し、組織の経験をより広い社会的、政治的、文化的プロセスと関連付ける。一般的には技術的リフレクションが行われることが多いですが、整合的リフレクションを行うことで行動と組織目標からのズレを防ぐことができる点や、批判的リフレクションにより変革やイノベーションをもたらすことができる点にもぜひ注目していただきたいです。反省との違いいずれも「過去に起きた出来事を振り返る」という点は共通しています。反省は、過去の失敗やネガティブな出来事にとらわれ、「なぜうまくいかなかったのか」「自分はなんてダメなんだ」と自分を責めるようなネガティブな思考に陥りがちです。一方、リフレクションは、過去の出来事をポジティブ・ネガティブに関わらず客観的に振り返り、「そこから何を学び、次にどう活かすか」という未来志向が重要になります。フィードバックとの違いリフレクションとフィードバックは、どちらも経験から学びを得るために重要なプロセスですが、その方法が異なります。フィードバックは、「他者からの評価や意見」によって、自分自身の行動や成果、改善点を知るプロセスです。一方、リフレクションは、他者からの評価を参考にすることもありますが、あくまでも「自分自身と向き合い、内省を深める」ことに重点を置きます。リフレクションが果たす役割やメリットリフレクションの実施によってどのようなメリットがあるのでしょうか。以下の7つについて解説します。1. 思考と行動を整理できる2. 学びと成長を促進する3. 柔軟に対応する力が身につく4. 生産性と効率が向上する5. 組織の目標に一致した行動が取れる6. 倫理的な判断力が高まる7. 組織の変革とイノベーションを促進する1. 思考と行動を整理できるリフレクションを通じて、複雑な考えを整理し、明確にすることができます。また、自分がなぜその行動を取ったのか、その理由をしっかりと理解できるようになります。2. 学びと成長を促進する過去の経験を振り返ることで、自分の成長につながる学びを得ることができます。これにより、新しい挑戦に対して積極的に取り組む力も育まれます。3. 柔軟に対応する力が身につくリフレクションを通して、状況に対する洞察を深め、様々な行動の選択肢とその結果についての検討を繰り返すことで、変化する状況に適応するための柔軟な思考が養われます。また、過去の経験を活かして、より広い選択肢から最適な行動を選べるようになります。4. 生産性と効率が向上する仕事やプロジェクトにおいて、リフレクションを活用することで、効率的な方法を見つけ出し、生産性を高めることができます。また、問題解決能力も向上し、より効果的な結果を得られます。5. 組織の目標に一致した行動が取れる整合的リフレクションにより、個人の行動が組織の目標や価値観と一致しているかを確認できます。これによって、組織内の信頼関係が強化され、スムーズなコミュニケーションが促進されます。6. 倫理的な判断力が高まる批判的リフレクションは、行動や決定が倫理的に正しいかどうかを評価する力を養います。これにより、社会的責任を果たし、持続可能な成長を目指すための基盤が整います。7. 組織の変革とイノベーションを促進する批判的リフレクションを通じて、組織内の権力構造や既存の枠組みを見直し、必要な変革を推進できます。また、新しいアイデアやアプローチを生み出し、組織の革新を促進する力が身につきます。リフレクションを行う手順リフレクションは以下のような順序で行うことが一般的です。経験の振り返り: まず、過去の出来事や経験を振り返ります。分析と意味の探求: 次に、何が起こったのか、なぜそのような結果になったのかをより深く分析します。そしてその経験の意味を深く考えます。学びの抽出: 経験から得られる教訓や新しい洞察を見つけ出します。将来への適用: 最後に、得られた学びを将来の行動や意思決定にどう活かすかを考えます。リフレクションを効果的に行うためのフレームワークリフレクションをより効果的に行いやすくするために、以下の5つのフレームワークを活用することができます。YWTYWTは、「やったこと(Yet)」「わかったこと(What)」「次にやること(Try)」の頭文字です。リフレクションを行う手順(経験の振り返り→分析と意味の探求→学びの抽出→将来への適用)をコンパクトに言い換えたものと捉えることもできますね。YWTの順に従うことで効果的にリフレクションを行うことができます。KPTとKDAKPTは、「Keep(続ける)」「Problem(問題)」「Try(改善する)」の頭文字、KDAは、「Keep(続ける)」「Drop(やめる)」「Add(加える)」の頭文字です。リフレクションの過程で、何を続けるとよいか、何が問題か、どうしたら改善できるか、何を辞めたほうが良いか、何を加えたら良いかという重要な観点を思い出させてくれるフレームワークです。ジョハリの窓ジョハリの窓は、自分自身に関する認識と、他人から見た認識とのずれを明らかにするために使用できるフレームワークです。ジョハリの窓では、自己認識を4つの領域に分類します。ジョハリの窓のどの領域にどの様な事柄が入るのかを検討することで、自己理解や状況理解を深め、より多くの気付きが得られるでしょう。リフレクション・ミーティングリフレクション・ミーティングとは、個人で行ったリフレクションについて、チームや仲間と共有する手法です。自分の経験や気づきを言語化して伝えることで、思考がより整理されて効果的にリフレクションができるでしょう。また、他のメンバーから有益なフィードバックが得られることもあります。リフレクションを効果的に行うためのポイントリフレクションを効果的に行うためには、以下の6つのポイントを意識しましょう。目的意識を持つ何か行動を起こして改善しようと思う際には、何よりもまず「目的意識を持つ」ことが大切です。そもそもリフレクションによって何を得たいのか、その目的を明確にしない限り効果は発揮できません。問題や悩みを解決する、個人のパフォーマンスを上げる、組織のパフォーマンスを上げる等、最初に目的を明確にした上で、リフレクションを行いましょう。書き出す経験した出来事の内容、気付きや今後の行動の指針など、考えたことは頭の中だけで処理せずに書き出しましょう。具体的な言葉として可視化すると思考を整理しやすくなります。事実・思考・感情を分けて整理するリフレクションを行う際、ただ漠然と経験を振り返るのではなく、具体的な行動や状況、自分がその時点で考えたことや解釈したこと、そして感情などを区別することで、客観的に物事を捉えやすくなります。また、それらを細かく分解していくと、状況・行動・感情のそれぞれについてどのようなことが起こったのかより深く理解しやすくなります。 適切なタイミングで行うリフレクションは、単発的に行うよりも、定期的に習慣化することでより効果を発揮します。毎日、毎週、毎月など、ご自身のペースに合わせてリフレクションの時間を設けましょう。また、重要な出来事だと感じられることがあれば、早いタイミングでリフレクションを行いましょう。人間の記憶は曖昧になりやすいものです。鮮明なうちに振り返ることで、より正確に経験を分析し、具体的な行動に繋げられます。今後に活かすために意識すべきことを増やしすぎないリフレクションを日々行っていると、場合によっては学んだこと・気づいたことが沢山積み重なってきて、どれも重要で日々意識すべきだという気になる場合があります。しかし、人間は多くのことを意識しようとするとパフォーマンスが下がったり、ストレスが溜まったりします。そのため、自分がどのようなことを意識的に行うべきか時々見直し、特に重要なものへ意識を集中させることをおすすめします。また、意識しなくて良いような仕組みづくりが可能なものは、可能な限り意識することではなく仕組みを作ることで解決するようにしましょう。第三者の意見も取り入れるより効率的・効果的にリフレクションを行いたい、自分だけではどうしてもうまくリフレクションが実践できない、という方は第三者の意見も取り入れてみましょう。第三者からの意見を取り入れることで、自分が気づかなかったことを知ることができます。ZaPASSではコーチングサービスやジャーナリングサービスのなかで、リフレクションも実践しています。興味を持っていただけた方は、ぜひ一度無料の事前面談をお申し込みください!ZaPASSコーチングの無料事前面談に申し込むまとめこの記事では、「リフレクション」について、その意味や重要性、具体的な手順などを解説しました。日頃の振り返りや次に向けての改善点を見つけることは日々皆さんがやっているかと思います。この記事を参考にしていただき、日々のリフレクションの実践がさらに効果的なものになれば幸いです。リフレクションについて興味を持った方は、ZaPASSの提案する効果の高いリフレクションを実践してみませんか?一人で自身を振り返るよりも効果的に振り返ることができ、深い自分の使い方が理解でき、新たな視点や気づきが得られるはずです。参考文献Reynolds, M. (2011). Reflective practice: origins and interpretations. Action Learning: Research and Practice, 8(1), 5–13. https://doi.org/10.1080/14767333.2011.549321監修者/インタビュイープロフィール藤田 大樹 氏:京都大学総合人間学部/名古屋大学大学院理学研究科卒博士前期課程修了後、システム開発企業でコンピューターシミュレーションの研究開発を担当。メンタル不調をカウンセラーに救われた経験から対人支援業務に関心を持ち、カウンセリングとコーチングを習得。2016年よりプロコーチとして活動。主に中小企業経営者のコーチング、企業研修、コーチ育成を行う傍ら、英国の大学院で心理学の学びを深めている。メンタル不調の経験や心理学の知見から得られる心理の深い理解とロジカルな思考の整理により、内省を深め、本当に大切なことを見つけ出し、それに向けて前向きに取り組めるように支援することを得意としている。柔らかい雰囲気の持ち主で、しばしは藤田がいると空気が優しくなると言われる。■関連記事【コーチ監修】コーチングとは?意味やメリット、実践するためのポイントをわかりやすく解説コーチングのテーマはどう決める?テーマが重要な理由やテーマの具体例をご紹介コーチングを受けるか迷っている方へ!メリットやコーチングの流れ、準備について解説コーチングの費用相場はどれくらい?自分に合った費用の決め方や、費用を抑える方法についてご紹介コーチングとティーチング、カウンセリングやコンサルティングの違いを解説失敗しないコーチ選びの6つのポイントとは?コーチを探す方法も解説AIコーチングとは?AIを活用したコーチングの特徴やメリット、懸念点をご紹介コーチングの基本とは?コーチングの3原則とよくある誤解について解説コーチングでの目標設定はどうしたらいい?効果的な目標設定のポイントや失敗例を解説コーチングを受ける際の準備をプロフェッショナルコーチが徹底解説コーチングは継続するべき?継続するメリットや効果的な活用方法をご紹介メタ認知とは?重要性やトレーニング方法、メタ認知を促すコーチングのアプローチをご紹介【法人・個人】コーチングの導入事例をご紹介!成功させるためのポイントも解説自己理解とは?必要性やコーチング等で自己理解を深める方法をご紹介アンラーニングとは?メリットやコーチングを活用した効果的なやり方を解説リーダーシップコーチングとは?目的や実践方法をご紹介ビジネスコーチングとは?メリットや流れ、コンサルティングとの違いを解説【コーチ監修】振り返りが果たす役割とは?振り返りの方法やコーチングを活用して効果的に行うポイントご紹介【コーチ監修】思考の癖と認知の歪みとは?代表的なパターンやコーチング等を活用した対処法をご紹介自己認知とは?メリットやコーチング等で自己認識能力を高める方法をご紹介【コーチ監修】セルフマネジメントとは?身につける方法やできる人とできない人の違いをご紹介【コーチ監修】感情マネジメントとは?感情の特徴や、感情とうまく付き合うアプローチ・メリットをご紹介