キャリアビジョンとは、人生全体を見据えて「将来の自分がどうなりたいか」を描くキャリアの理想像です。実現までの具体的な行動計画であるキャリアプランとは区別されます。本記事では、キャリアプランとの違い、人生の輪を使った描き方、うまく描けない場合の対策を解説します。ZaPASSプロフェッショナルコーチとして活躍し、3児の母でもある藤原コーチに伺いました。キャリアビジョンとはキャリアビジョンは、キャリアにおいて今後自分がどうなりたいかというキャリアの理想像のことです。また、現代社会においてキャリアはプライベートと切り離せないものとなっています。人生には就職、転職、結婚、出産、子育て、病気、介護などさまざまなライフイベントがあります。これらのイベントは、仕事と切り離せないものです。人生全体で考える必要があるため、キャリア・ライフ・ビジョンとも言えるでしょう。キャリアプランとの違いキャリアビジョンとキャリアプランの違いは、次のとおりです。・キャリアビジョン:自分がどうなりたいかというキャリアの理想像(目的地)・キャリアプラン:キャリアビジョンを実現するための具体的な行動計画(目的地までの道筋)キャリアビジョンが「どうなりたいか」を示すのに対し、キャリアプランは「どう到達するか」を示します。※プロコーチとの無料体験キャリアコーチングキャンペーン実施中キャリアビジョンが注目されている理由個人がキャリアを選択できる時代近年では、一つの会社に入社して終わりではなく、その先の人生においてどのようなキャリアを描くかを個人が自ら決められる時代になっています。転職がもはや当たり前となり、個人が自由にキャリアを選択し、理想の働き方を追求できるようになったため、自律的にキャリアを考えることが求められ、キャリアビジョンの重要性が増しています。ビジネスを取り巻く環境の変化が激しいテクノロジーの発達により、かつての「当たり前」が通用しなくなる場面が増えています。事業や職種の前提が短期間で変わる環境では、判断のよりどころがないと、キャリア選択が変化のたびに場当たり的になりかねません。だからこそ、外部環境に左右されない自分のキャリアビジョンを持つことが重要です。働き方が多様化しているコロナ禍を契機にリモートワークが普及し、働き方が多様化しました。これまで以上に、キャリアにおける社会的な正解はなくなり、「自分はどうしたいのか?」と向き合う機会となった方も多いかと思います。多様な働き方の選択肢がある時代においては、自分のキャリアビジョンを明確にし、それに沿ったキャリアパスを描くことが重要となります。※プロコーチとの無料体験キャリアコーチングキャンペーン実施中キャリアビジョンを描くメリット主体的に生きられるキャリアビジョンを描くことで、仕事・お金・健康・家族・パートナー・人間関係・学び・遊びなど、さまざまな領域の中で、何となく「3年後、5年後にこうなっていたいな」と思っていることが明確になります。そこに向かっての自分自身の時間の使い方や動き方を意識するようになります。そして自分が今、何を大事にすべきかを整理できるのが大きなメリットです。これまで曖昧だった「3年後どうなりたいか?」や、「何を大事に日々過ごすのか?」などの問いへの答えを言語化できると、無意識の意識化が起こり、主体的に自分で人生を選択することができるようになります。自分のリソースを最大限使えるようになる時間・スキル・経験・人脈といった自分のリソースを有効に使えるようになるのも、キャリアビジョンを描くメリットです。目標が定まると、どのリソースをどこに投じれば近づけるかを判断できるようになります。また、キャリアビジョンを持つことで、どのリソースを新たに取得すべきかも明確になります。必要なスキルや経験、知識が具体化されるため、それに向けた学びや経験を積めます。これにより、計画的かつ効率的に目標達成が可能になります。※プロコーチとの無料体験キャリアコーチングキャンペーン実施中キャリアビジョンを描く方法①「人生の輪(バランスホイール)」で自分の現在地を知るキャリアビジョンを描くにあたって必要なのは、まず自分の現在地を知ることです。私は会社員の働き方、個人事業主の働き方、そしてコーチと、試行錯誤しながらさまざまなキャリアにトライしてきました。何歳でどれくらいの収入を得るというビジョンもリアルに描きました。また学ぶことが好きなので、CPCC(Certified Professional Co-Active Coach、コーチ養成機関CTIが国際的に認定しているコーチング資格のこと)など、キャリアに必要な資格を計画立てて取得してきたのです。私がキャリアを描くにあたり、用いてきたツールが「人生の輪」です。人生におけるそれぞれの領域で、理想のキャリアが10点満点だとしたら、現在は何点なのかを確認するところから描き始めるとよいのではないでしょうか。自分を取り巻く環境は、日々変化していきます。ですから一度やって終わりではなく、私自身3か月に1回から半年に1回の頻度で実施しています。人生の輪を用いることで、環境の変化により、自分の価値観がどのように変わったのかを意識する機会を作れるのです。人生の輪の具体的な書き方は、以下の記事で詳しく解説しています。関連記事:人生の輪(バランスホイール)とは?書き方やコーチングにおける活用法をご紹介(https://zapass.co/blog/balance-wheel)②キャリアアンカーで変化を起こしたい領域を知る次に必要なのは、自分が変化を起こしたい領域がどこなのかを知ることです。人生の輪でいうと、理想のキャリアが10点満点で、現在が5点なのであれば、3年後に何点にしていきたいか。3年後に8点にしていきたいのであれば、それはどのような状態なのかという順番で考えていく方法がひとつです。また、ここでご紹介したいのがキャリアアンカーです。アンカーは錨(いかり)で、自分がキャリアの何に重きを置いているかを指します。たとえば「専門性を高めたい」「安心・安全な環境で長く働きたい」「ライフスタイルを優先して働きたい」など、仕事において重視したいことは人それぞれです。私の場合、今現在は、仕事と育児をバランスよくやっていきたいと考えています。自分が今何を大事にしたいのかを考えることも、キャリアを考える上で役に立ちます。自分のキャリア・アンカーを知っていないと、意に沿わないキャリアを歩んでしまうことになりかねません。例えば、外部から与えられる外部誘因(報酬や肩書など)の誘惑に負けて、後になって違和感や不満を感じるようなキャリアを歩んでしまいかねません。キャリアアンカーを知ることで、自分らしい意思決定、キャリア選択ができるようになるのです。※プロコーチとの無料体験キャリアコーチングキャンペーン実施中キャリアビジョンがうまく描けない場合の対策なりたくないものから考えるキャリアビジョンがうまく描けない場合は、逆に「こうは絶対なりたくない」ということを描いてみましょう。「3年後も年収○百万円なのは嫌だ」「3年後もここに住み続けているのは嫌だ」とまずは反対のことを考えてみてから「では逆にどうなってたら嬉しいか」と考えてみると、自分なりのビジョンを描きやすくなります。「何が嫌か」という問いは、自分が大切にしている価値観が強く出るのです。好奇心を大切にするゴールを決め、そこに向かって頑張ることも大事です。ただ、今は不確実な要素や自分ではどうにもならないことが多々あります。ゴールは一応持っておくけど、そこに固執しすぎないというマインドが、キャリアビジョンを描くにはよいのではないかと考えています。プランドハップンスタンス理論をご存じでしょうか。キャリアの8割は偶然の出来事で決まるという理論です。私自身今までのキャリアを振り返ると、ベンチャー企業へ転職をしたことや、営業から人事へ転身したこと、コーチングを受けたことがきっかけでコーチになったことなど、元々思い描いてなかったことがたくさん起きました。自分自身の大きな方向性はありつつも、たまたま会社の配属で職種が変わったり、友人に誘ってもらい転職したり、その時々の偶然の出来事の積み重ねで今があると実感しています。私自身がキャリアビジョンを描き、決断を積み重ねる際に大事にしているのは、「これ、面白そう」とか「これ、やってみようかな」という直感や好奇心を大事にすることです。自分はこうであると決めつけすぎると、それ以外の選択肢がなくなってしまいます。直感や好奇心を大事にすることで、自分が気づいていない可能性に出会えたり、また新たな偶然を引き寄せることに繋がると思っています。「どんな自分でキャリアを実現するか」また、「どんな自分でキャリアを実現していくか」という観点も大事な視点となります。極端な話、苦行だと感じながら仕事をするのは、つらいですよね。例えると、「仕事とは辛いものである」という色眼鏡をかけていると、仕事は辛いものに見えます。一方、自分にとって力が湧いてくるものの見方、例えば「仕事とは人生を豊かにするものである」という色眼鏡をかければ、仕事がそう見えます。人それぞれ、掛けているメガネが違いますし、メガネは選択することができます。人は、自分はどんなメガネをかけるのかを主体的に選択することができるのです。例えば、私の場合は、「仕事ができない人は価値がない」というメガネをかけていました。ですから20代の頃は仕事を頑張り、成果にこだわりました。しかし子どもが生まれて大事にしたいことが増え、働ける時間が短くなり、以前と同じように成果を出すことが難しくなってしまいました。「仕事ができないと価値がない」という視点が、自分を苦しめました。しかしコーチングを受ける中で、「現実を変えるのは難しいけれど、自分がかけているメガネは変えられるのでは?」と考え方が変わりました。自分の視点は自分で変えられるということに気づいたのです。もちろん、これまで常時装着していたメガネを「今日から外して別のメガネにします」と取り替えるのは容易なことではありません。常に意識できる仕組みづくりをしたり、トレーニングしていく必要があるのです。なかなか自分で視点を変えるのが難しいという人は、コーチングを受講するのがおすすめです。コーチから自分にない新たな視点の問いかけや、フィードバックをもらうことで、どんどん視点や選択肢が広がっていくのです。※プロコーチとの無料体験キャリアコーチングキャンペーン実施中キャリアビジョンに関するよくある質問Q:キャリアビジョンはより具体的なほうがいいのでしょうか?実現可能性や、振り返りの観点からも、具体的に言語化することをお勧めします。また心理学や脳科学などの観点からも「こうなりたい」ではなく、「3年後にこうなっています」と、それが実現した形で言語化をすることで、より実現しやすいと言われています。具体的なTODOがイメージできない場合は、TOBEから考えることをおすすめします。「こうなっている」というTODOだけでなく、「こんな自分になっている」というTOBEから考えるのもおすすめです。Q2:キャリアビジョンを描いた次のステップは何でしょうか?キャリアビジョンを描いたら、次はビジョンをブレイクダウンしてみましょう。3年後はこうなっていたい、2年後はこう、1年後はこう……今月はこう、今日はこうと、細かく分解していきます。ブレイクダウンすることで、遠い夢だと感じていたことが「こうすればできそうだ」と確信が持てたり、道筋が見えるようになるのです。Q3:転職の面接でキャリアビジョンを聞かれた場合はどう答えればいいですか?面接でキャリアビジョンが問われるのは、応募者の目指す方向と入社後に実現できるキャリアが合っているかを、企業が確認するためです。回答では、応募先の仕事で実現できる範囲にビジョンを絞って伝えましょう。年数別の回答例文は「3年後・5年後・10年後の自分」とは?キャリアプランの考え方や回答例を紹介で紹介しています。まとめキャリアビジョンを描くことは、現代の多様化した働き方や急速に変化するビジネス環境に対応するために非常に重要です。自分の理想の未来を見据えることで、主体的に生き、自分のリソースを最大限に活用できます。そして、現在描いているキャリアビジョンは、今の自分が描いたものであり、まだ見ぬ自分の可能性があることを忘れないようにしましょう。キャリアビジョンを持つと、時間や経験といった自分のリソースをどこに投じるかを判断しやすくなります。本記事で紹介した人生の輪やキャリアアンカーを使いながら、自分のキャリアビジョンを描いてみてください。キャリアビジョンを一人で描ききれないと感じたら、プロコーチとの無料体験セッションで言語化を試してみてください。▶ 申し込む|プロコーチとの無料体験キャリアコーチング監修者/インタビュイープロフィール藤原蘭子氏:ZaPASSプロフェッショナルコーチCTI認定CPCC 国家資格キャリアコンサルタント同志社大学卒業後、株式会社リクルート・株式会社ビズリーチにて人事・法人営業に従事。妊娠・出産を経てプロコーチとして独立し、法人・個人向けにセッションを提供。プライベートでは3児の母。これまで経験してきた会社員、個人事業、子育てなどの経験なども活かし、法人・個人向けに、30代のビジネスパーソンを中心にセッションを提供中。キャリアコンサルティング、NLP、心理学などの知見を活かしたセッションが強み。◾️参考記事キャリアプランが思いつかない人必見!職種・年代別の回答例も紹介|すべらない転職(アクシス株式会社)■関連記事転職相談にキャリアコーチングがおすすめな理由とは?キャリアコーチングの選び方、活用方法をご紹介キャリアコーチングは必要ない?メリットや効果、必要な人について解説しますキャリアコーチングは自己分析に最適!その理由と効果を高めるポイントをご紹介30代のキャリア相談は誰にしたらいい?キャリアコーチングがおすすめの理由をご紹介20代のキャリア相談は誰にしたらいい?キャリアコーチングがおすすめの理由をご紹介キャリアコーチングを学ぶためにおすすめの本をご紹介!メリットや本以外の学習方法も解説キャリアアップとは?転職でキャリアアップさせるための秘訣や注意点をご紹介キャリアプランとは?具体的な作成方法や思いつかない場合の対策をご紹介自分軸とは?自分軸を大切に生きることのメリットや作り方を解説30代が仕事で何がしたいか分からない時はどうしたらいい?解決策をご紹介【コーチ監修】女性のキャリアプランはどう立てる?実現する方法やポイントを解説「3年後・5年後・10年後の自分」とは?キャリアプランの考え方や回答例を紹介【コーチ監修】自己理解とは?必要性やコーチング等で自己理解を深める方法をご紹介【コーチ監修】ロールモデルとは?女性のロールモデルの例や見つけ方をご紹介人生の輪(バランスホイール)とは?書き方やコーチングにおける活用法をご紹介自己理解に役立つライフラインチャートとは?作り方やコーチングにおける活用法をご紹介キャリアコーチングとキャリアコンサルティングの違いは?メリットや向いている人を解説