昨今、雑誌やビジネス系の記事で「コーチング」を耳にする機会が増えてきました。しかしその具体的な内容やメリットを正しく把握できている人は、案外少ないかもしれません。コーチングは、ただのアドバイスではなく、個人やチームの潜在能力を引き出し、目標達成へと導くものです。職場でのパフォーマンス向上、個人の生活改善など、さまざまなところで役立ちます。今回は、ZaPASSのプロフェッショナルコーチである横峯智子さんに、コーチングの基本から実践方法、活用法についてお伺いしました。コーチングとは?コーチングの語源・意味「コーチング」の言葉は、どこから来たのかご存知ですか?実はコーチの由来は「馬車(Coach)」です。馬車の役割は、主役である馬車に乗る人を、望む場所に送り届けることです。コーチングにおいて、主役はコーチングを受けるクライアントです。コーチはクライアントが目指すゴール、実現したい目標にたどりつくのをサポートする人という意味合いを持っています。コーチングが必要になっている背景最近、コーチングが注目されています。その背景について紹介します。特にニーズが高いのが、組織・ビジネスシーンでの活用を目的としたコーチング学習です。時代の変化に伴い、リーダーシップのあり方も変わってきています。以前は、トップダウン型、内部統制型のマネジメントが求められていました。しかし今は、部下が自律的に動き、目標を達成するという、フラットなティール型の組織に移行しつつあります。マネージャーがコーチングを学び、部下にコーチング的なコミュニケーションを取れるようになることで、部下が目標やゴールを明確にすること、仕事にやりがいや意義を見出すこと、自律的に働けるようになることを支援できます。また、個人としてコーチングを受ける人も増えています。今はキャリアや人生の歩み方を、自ら考え、行動していくことが一人ひとりに求められています。意思決定の伴走者として、コーチを求める人が増えているのです。コーチングとティーチングの違いコーチングと比較されるものとして、「ティーチング」があります。しかし、ティーチングとコーチングは、似ているようで全く異なります。そもそも、コーチングとは何でしょうか?コーチングは、対話を通じてクライアントが実現したいことを具現化します。そしてその目標に向かって自ら考え、行動できるように支援するものです。クライアントに答えを教えるのではなく、問いかけ、質問を投げかけていくのが、ティーチングとの大きな違いです。コーチングの目的は、いま起きている事象や問題を解決することだけではありません。クライアントが同じような課題に直面したときに、今度は自律的に解決できるようになることを目指しています。クライアントに答えを教えると、一時的には解決するのかもしれません。しかし再び同じような事態が起きてしまったとき、またアドバイスや助けが必要になってしまいますよね。クライアントが内省し、行動するために考えるきっかけを提供するのが、コーチングなのです。コーチングとティーチング、カウンセリングやコンサルティングの違いについては下記の記事を参考にしてください。コーチングとティーチング、カウンセリングやコンサルティングの違いを解説コーチングの種類ビジネスコーチングビジネスコーチングは、ビジネスにおいて成果を出したいビジネスパーソン向けのコーチングです。個人やチームのパフォーマンス向上を目指し、潜在能力を最大限に引き出し、ビジネスの成功をサポートします。特に目標達成や、行動促進に重きをおいています。「自分のキャリア」や、独立されている方であれば「事業について」などがテーマになります。ビジネスコーチングについてはこちらの記事を参考にしてください。ビジネスコーチングとは?メリットや流れ、コンサルティングとの違いを解説エグゼクティブコーチングエグゼクティブコーチングは、経営者向けのコーチングです。テーマは経営や組織課題、それに紐づく葛藤などを扱います。経営者はしばしば、重要な意思決定、チームマネジメント、戦略立案など、高度で複雑な課題に直面します。これらの課題を解決するための、支援を提供するコーチングです。エグゼクティブコーチングについては下記の記事を参考にしてください。経営者向けのエグゼクティブコーチングとは?具体的な効果や受けるメリットを詳しく紹介キャリアコーチングキャリアコーチングは、仕事やキャリアにおける目標達成のサポートに特化したコーチングです。クライアントの強みや価値観を理解し、理想のキャリアパスを見つけるサポートをします。キャリアコーチングは、ただのアドバイスではなく、自分自身で考え、行動する力を引き出してくれるのが特徴です。もしあなたがキャリアにおいて悩みを抱えているのであれば、キャリアコーチングは非常に有効な選択肢となるでしょう。キャリアコーチングについては下記の記事を参考にしてください。転職相談にキャリアコーチングがおすすめな理由とは?キャリアコーチングの選び方、活用方法をご紹介ストレングスコーチングストレングスコーチングは、クリフトンストレングス®(ストレングスファインダー®)の診断結果を活用したコーチングセッションです。セッションを通じて「自分の強みとは一体何なのか」を深く理解していきます。通常のコーチングでも、コーチはさまざまな角度から質問し、探求し、掘り下げていきますが、ストレングスコーチングの場合はクリフトンストレングス®というデータに基づく指標があるので、より具体的に、より早く自分を客観視することができます。ストレングスコーチングについては下記の記事を参考にしてください。【コーチ監修】ストレングスコーチングとは?メリットや料金、おすすめな人について解説しますライフコーチングライフコーチングのテーマは多岐にわたります。仕事に限らず、健康、人間関係、時間の使い方、財務管理など、人生におけるあらゆる目標達成を支援します。コーチがクライアントの状況を理解し、その人がより良い人生を生きるために手助けをするのがライフコーチングです。いまならコーチング解説資料&解説動画無料プレゼント中!コーチングの効果・メリットコーチングを受ける効果・メリットコーチングは、自分の思考や感情を行ったり来たりしながら、願いや大切にしたいものを明らかにしていく作業です。本音や思考の癖を理解すると、自己認知能力が上がるという効果があります。さらにコーチングを続けていけば、自分が常に持っている願いも見えてきます。それらを把握できると、今度はコーチングを使わなくても、同じような課題に自分で向き合えるようになります。また、仕事でも願いがクリアになっているので、自律的にキャリアを選択できるようになるのです。やりたいことを自分で選び取れるようになるのが、コーチングを受けるメリットです。コーチングを受けるメリットについては下記の記事を参考にしてください。コーチングを受けるか迷っている方へ!メリットやコーチングの流れ、受ける準備について解説コーチングを学ぶ効果・メリット次にコーチングを学ぶメリットを紹介します。1:マネジメントやリーダーシップに活かせること・相手に安心して本音を話してもらえる聞き方・感情や気持ちの扱い方、伝え方・自己対話、自己耐性力これらのリーダーシップに必要なスキルを育めます。2:コーチという職業が、副業や新たなキャリアの選択肢になることコーチングはスキルがもちろん大事です。ただそれだけではなく、これまでの経験が、コーチングの効果やインパクトに大きく反映されます。どんなビジネスパーソンでも、ご自身が経験してきたキャリア、その中で感じてきた悩み、葛藤、挫折があります。コーチとして関わることで、同じ経験をする人の後押しになります。ご自身が重ねてきた経験のすべてを活かせる、キャリアや副業や選択肢となるのです。3:コーチングで学んだことが、コミュニケーション全般に活かせること話の聞き方や感情の伝え方を学べば、コミュニケーションが円滑になります。そして家族や友人、パートナーにも使えて、より良い関係を築けるようになるのです。コーチングのデメリットコーチングは、行う上でのポイントを押さえておかないと、効果を発揮しにくかったり、逆効果になってしまったりといったデメリットがあります。ここでは、知っておくべき注意点をお伝えします。効果や得られるものが定性的、抽象的になりやすいコーチングは、これを受ければ売上が伸びる、成果が上がる、といった万能薬ではありません。仕事のモチベーションやエンゲージメント、それにご自身の心持ちや感覚に影響を及ぼすものです。ですから、目的によっては、効果を実感するまでに時間がかかることがあります。忍耐強い取り組みが必要です。期待値とのずれが起こりやすいコーチングは、答えを求めている人に対し、直接的な答えを与えられるものではありません。答えを求めてコーチングを受けると、期待値とのズレが発生します。だからこそ、コーチングとは何なのかを事前にインプットしておくことが重要です。受け身では効果を得られないコーチングは、一度受ければOKではありません。それにセッションでは受け身ではなく、自分から本音で話す必要があります。さらにセッションで得た気付きや、行動を実践できるのは自分だけです。能動的な姿勢が重要になってきます。「やらされている」気持ちのままでは、効果を得られないでしょう。いまならコーチング解説資料&解説動画無料プレゼント中!コーチングを成功させるポイント信頼関係を築くまず、大前提として、クライアントとの信頼関係を築くことが挙げられます。心理学用語で「ラポール形成」があります。ラポールとは、フランス語で架け橋(rapport)という意味です。ラポール形成は、カウンセラーと相談者の間にある心の状態を指します。コーチングにおいても、きちんとクライアントと信頼関係を築くのが大事です。・コーチングは、何も話しても大丈夫な時間である・コーチには、何を話しても大丈夫である・コーチは、本音を話せる相手である。クライアントにこう思ってもらうのが、コーチングをする上での大前提です。期待値を調整する期待値を調整するのも、大切な前準備の一つです。例えば、マネージャーが部下に対してコーチングをするとします。期待値調整にずれがあると「普段はアドバイスしてくれるのに、何で質問ばかりしてくるの?」と戸惑ってしまいますね。自分は何を求められているのか、どう期待されているのかと混乱してしまいます。「コーチングは、答えを与える場ではありません。質問を通して、あなたの中にある答えを見つけていく場所です」このように事前に伝え、期待値をあらかじめ調整しておくのが、コーチング成功のコツです。利害関係がある中でのコーチングは難しいと言われます。利害関係があると、お互いに害のない内容を話そうとするからです。本音を話しづらくなるかもしれません。また、コーチングをする側も、相手に対する期待が入ってしまう場合があります。コーチングは、相手に期待する答えや、こう動いてほしいといった願望を手放し、純粋に想いを聞く場所です。利害のある関係では、コーチングをワークさせるのは困難です。その場合は、第三者のコーチにお願いするのが理想的でしょう。コーチングを実践する手順GROWモデルコーチングの手法はいくつかありますが、ここでは代表的なものをご紹介します。GROWモデルは、コーチングセッションを進めるうえでのフレームワークです。Goal、Realty、Option、Willの頭文字をとってGROW(グロー)と呼んでいます。G:目標(ゴール)をクリアにするR:現状(リアリティ)をクリアにするO:ゴールと現状のギャップを埋めるためのオプションを洗い出すW:自分の意志(ウィル)を確認し、何をするかを決めるGROWモデルは、ほぼ全てのコーチングモデルの基礎となっています。この順番で問いかけたり、思考したり議論することで、目標達成や課題解決の道筋が明確になるのです。GROWモデルについてはこちらの記事を参考にしてください。コーチングのGROWモデルとは?具体的な質問の例や効果的に取り入れるためのポイントを紹介コーチングに必要なスキル傾聴力傾聴力は、相手に安心して本音を話させる力です。コーチングの実践において、傾聴は基礎となるスキルになります。話の聞き方など、細かいテクニックはありますが、最も大切なのは「どのような心持ちで聞くか」です。コーチングでは、大事にしたい価値観、スタイルが3つあります。・願いの答えはあなたの中にある・あなたにはそれを実現する力がある・まだ現れていない可能性が常にあるこの3つに対して、相手をきちんと想いながら話を聞くのが大切です。質問力質問力は、相手の内省を促す質問ができる力です。良いコーチは、ただ相手の情報を得るためで終わりません。相手が自分の考えや感情を深く掘り下げられるよう、サポートする質問ができるのです。質問を受けたクライアントは、新たな視点から解決策の糸口を見つけます。さらにすぐれた質問は、コーチとクライアントの関係構築を促進させる効果もあるのです。フィードバック力フィードバックとは、相手が発信(フィード)してくれたものを相手に返す(バック)ことを指します。仕事の現場で扱われるフィードバックは、「評価をする」「アドバイスをする」などの関わりですが、これらとは少し異なる質感です。「フィードバック力」は相手が受け取りやすいフィードバックをできる力です。そのためには、「事実」と「解釈」を分けて受け取り、伝えることが必要になります。それをもとにフィードバックすることで、アドバイスやティーチングとは異なる、相手が受け取りやすく、かつ自分の中にある答えに気づくきっかけになるフィードバックをすることができます。傾聴・質問・フィードバックについてはこちらの記事を参考にしてください。コーチングに必要不可欠な傾聴・質問・フィードバックについて徹底解説説得力説得力は、クライアントに行動を促すのに非常に重要です。これは、単に強い意見を押し付けることではありません。クライアントの人生を応援するコーチが、自分自身の人生に向き合っていなかったり、心からの願いに向けてチャレンジしていなかったら、そんなコーチからの言葉には、説得力がないですよね。このように、コーチ自身の物事への姿勢から滲み出る説得力は、コーチングのインパクトに影響を与えます。コーチングのスキルに関してはこちらの記事を参考にしてください。ビジネスコーチングに必要なスキルとは?トレーニング方法やスキルアップについて解説いまならコーチング解説資料&解説動画無料プレゼント中!コーチングについて学ぶ方法書籍から学ぶコーチングを学ぶのに、一番お手軽な方法は書籍から学ぶことです。コーチングにはいろいろな流派がありますが、書籍ではベーシックなコーチングを学べるので、最初の一歩におすすめです。書籍のメリットは、自分のペースで学べることです。また、さまざまな著者や専門家の視点を吸収できます。初心者向けのコーチングの本もたくさんあります。コーチングを学ぶためにおすすめの本はこちらの記事を参考にしてください。コーチングを学ぶためにおすすめの本7選!メリットや学ぶ方法を解説研修を受ける・スクールで受講する個人でコーチングのスクールを受講したり、法人で実施している研修を受ける方法もおすすめです。研修は、通常、対面またはオンラインで提供されます。目標達成や行動変容に重きを置いたり、自己受容に重きを置いたりと、スクールごとにさまざまな特色があります。・自分自身がどのようにコーチングを活かしたいか・どういうコーチになりたいかこのように、活用法や自分のなりたい姿に合わせて選んでみてください。スクールや講座でコーチング学習することについては下記の記事を参考にしてください。コーチング学習にスクールや講座は必要なの?メリットや選び方を徹底解説自分でコーチングを受ける自分でコーチングを受けるのも、とてもよいアプローチです。コーチングを受けることで、コーチングの価値を認識できるからです。コーチからの質問内容や、話の聞き方など真似できるところはたくさんあります。「自分でもコーチングができるようになりたい」という認識でコーチングを受ければ、見えてくるものがあるはずです。コーチングの学び方については下記の記事を参考にしてください。コーチングはどうやって学ぶ?おすすめの勉強法や効率よく学ぶ方法をご紹介【ご案内】コーチング解説資料&セミナー動画無料プレゼントここまで読んでくださった方に、ビジネスパーソン向けコーチングスクール「ZaPASSコーチ養成講座」監修の解説資料と、2.5時間分のセミナー動画を無料プレゼントいたします。よろしければお役立てください。プレゼントの受け取りはこちらまとめこの記事では、コーチングの基本からその実践、さらにはコーチングを学ぶためのさまざまな方法をご紹介しました。コーチングは個人の成長や組織の強化に非常に有効なツールです。ぜひ適切な知識と技術を身につけて、その効果を最大限に引き出してください。コーチングに少しでも興味のあり、もっと理解したいと考えている方にとって、この記事が一助となれば幸いです。また、ZaPASSではコーチングが学べるオンラインスクールを提供しています。ご興味のある方は是非無料のオンライン説明会にお申し込みください。ZaPASSコーチングスクールの無料オンライン説明会はこちら監修者/インタビュイープロフィール横峯智子氏:ZaPASS登録コーチ / ZaPASS アカデミー事業責任者/株式会社ガイアックスコーポレートカルチャー推進室責任者 兼 社内コーチ東京大学大学院サステイナビリティ学修士課程を修了後、株式会社ガイアックスに入社。子会社の社長室立ち上げ、新規事業立ち上げなどを行なった後、コーポレートカルチャー推進室責任者に就任。ZaPASSコーチ養成講座を修了後、ZaPASS登録のプロフェッショナルコーチとして活動をしながら、300名を超える修了生を抱えるZaPASSアカデミー事業部の責任者を務めている。2019年にコーチとして活動を開始し、2024年1月現在までに100名を超えるクライアントと、合計400時間のコーチングセッションの時間を共にしている。 🔳コーチングを学ぶことに興味がある方はこちらZaPASSはスキルとスタンスの両方を磨くことに重点を置いた、ビジネスパーソン向けのコーチング学習講座を提供しています。3〜6ヶ月間、毎週2.5時間の講座と自主練習を約30名の同期とオンラインで実施します。プログラム説明会を毎週実施していますので、是非お気軽にお申し込みください。https://zapass.co/academy🔳コーチングを受けることに興味がある方はこちらZaPASSでは体験セッション前の無料の事前面談にてコーチングの活用方法やテーマを相談することができます。コーチングを学んだコーチング学習済みで試験に合格した認定メンバーが面談させていただきますので、是非無料の面談をお申し込みください。https://zapass.co/coaching