近年、社員の個性や強みを理解し、組織作りに役立てるために「MBTI」というツールが注目されています。MBTIは、人の性格を16タイプに分類することで、その人の認知や判断のクセや傾向、行動パターンを分析できます。企業がMBTIを活用するメリットは、採用活動から人材育成、従業員のエンゲージメント向上、マネジメント、そして従業員の悩み解決まで、多岐にわたります。今回はZaPASSプロフェッショナルコーチでありMBTI認定ユーザーである石川さんにMBTIの企業における活用方法について、お話を伺いました。MBTIとは「MBTI」と聞くと、無料の性格診断ツールとして世に広く知れ渡っているため一度は診断をしたことがあるのではないでしょうか。しかし、「MBTIとして認識されている無料診断ツールは、実はMBTIではない」のです。「公式のMBTI」と「MBTIと誤認されているもの」の違いは以下の通りです。参考:https://tsunagu-tobe.com/casembti1/よくSNSなどでもMBTIの結果として「私は分析家タイプだった!」「自分は探検家だったよ!」という共有を見かけますが、本来のMBTIではそういった比喩的な表現は用いません。また、最も大きな違いは「ワークショップを通した自己選択の機会の有無」でしょう。MBTIと誤認されているものでは質問に答えて出た診断結果を読んで終わりですが、公式のMBTIはワークショップを通して自分の性格を見つけていくものなのです。占いのようなものはないのでその点には注意しましょう。MBTIを導入する企業が増えている近年、企業が社員の人材育成や組織開発に心理学を活用する事例が増えています。実際、タレントマネジメントシステムにも心理学に基づく診断ツールを実装しているケースも増えています。その一環としてMBTIも普及し始めていますが、日本では公式のMBTIの有用性がまだあまり知られていないため、少数の企業で導入されているに過ぎません。しかし、実施した企業にとっては説得力が高く、その効果は非常に高いと言われているため、今後導入が増えていくのではないかと考えています。マネージャー層向け法人コーチングサービスなら「ZaPASS for Enterprise」企業がMBTIを活用するメリットMBTIの実施によって、大前提として自己理解と他者理解が促進され、コミュニケーションが円滑に進むことが期待できます。その上で企業がMBTIを活用するとどのようなメリットがあるのでしょうか。以下の4つのメリットについて詳しく解説します。チーム編成の参考になるMBTIを企業で活用すると、社員の個性に合わせた役割分担やチーム編成がしやすくなります。例えば、計画性や論理的な整合性を重視することの多い「ISTJ」タイプの人は、 deadlines やルールが明確に定められた状況で、持ち味を発揮する傾向があります。一方、柔軟性や創造性を重視することの多い「ENFP」タイプの人は、自由度が高く、新しい物事に挑戦できる環境でこそ、持ち味を発揮する傾向があります。このように、MBTIは社員一人ひとりの傾向を理解する有効なツールとなります。得意とされる業務に集中させたり、お互いを補完し合えるメンバーでチームを組むなど、チーム編成の参考として大いに役立つでしょう。組織拡大の一助となる組織を拡大していく上で50人の壁や100人の壁という言葉があるように、ある程度の規模になるとそれ以上社員が増えていかないという壁があると言われています。私の経験上、その壁には人数的な要素と性格の多様性という要素があると考えています。創業期はトップと似たような性格の人が集まるため、阿吽の呼吸で物事が進み組織が一気に成長していきます。しかし、性格タイプが偏るということは画一性が高まることと同義のため組織成長の限界が早晩訪れます。そこで、敢えてこれまでとは異なるタイプの人材を採用・登用するのですが、お互いの性格の違いを認識できていないと、コミュニケーションの不和が生じたり、居心地の悪さを感じて離職してしまいます。つまり、組織拡大においては、人数的な壁だけでなく性格の多様化の壁も乗り越えていくことが重要なのです。そういった場合にMBTIを導入することで、他者理解がしやすくなり異なる性格の人とでも円滑にコミュニケーションが取れるようになるため、組織拡大の一助になるでしょう。人材教育に活用できるMBTIが直接社員のスキルアップに寄与するというわけではないのですが、教育する側がMBTIを理解しておくことで、相手が動機付けされやすい業務アサインや受け止めやすいフィードバックの仕方を実践することが可能になります。様々な育成施策がありますが、最も人が成長する機会は実践に他なりません。実践を通した経験学習サイクルを効果的に回す意味でもMBTIは非常に有益に機能します。部下との間のコミュニケーションに悩んでいて、うまく人材教育が進まないと悩んでいる企業は、ぜひMBTIを実施してみましょう。マネジメントに活用できるMBTIは、マネジメントにも効果的に活用できます。MBTIでは、思考タイプと感情タイプのどちらを重視して意思決定を行うかという判断機能というものがあります。思考タイプは論理や合理性を重視する傾向があり、感情タイプは周囲の人への影響や共感を重視する傾向があります。マネージャーがメンバーそれぞれのタイプを理解しておけば、それぞれの個性に合わせたコミュニケーションやマネジメントが可能になります。例えば、思考タイプのメンバーには、論理的な説明や明確な指示を行うことで、納得感を持って業務に取り組んでもらえます。一方、感情タイプのメンバーには、共感や配慮を示しながらコミュニケーションを取ることで、モチベーションを高く保ちながら業務に取り組んでもらえるでしょう。私は事業会社でのマネジメント経験はもちろん、マネジメントに関する研修を実施させていただくこともあるため、MBTIを企業で導入される際には、マネジメントシーンにどう活かすのか?の様々な具体例を紹介しながら進行するようにしています。マネージャー層向け法人コーチングサービスなら「ZaPASS for Enterprise」MBTIを組織に導入している事例MBTIを実際に導入している事例として株式会社丸井のケースをご紹介します。丸井グループでは、従業員同士の自己理解を深め、今後の自己成長につなげることを目的に、MBTIを導入しているそうです。ワークショップ形式でMBTIを実施したことで、他者との違いを理解し自己理解を深め、多様性について気づくきっかけになったそうです。自分や他者の性格についての理解が深まり、多様性を尊重することができ、今後の自己成長につながりました。出典:https://www.0101maruigroup.co.jp/ir/pdf/ireport/2019/ireport2019_29.pdf企業がMBTIを導入する上でのポイントMBTIを企業が導入する際には、いくつかのポイントを押さえておくことで、より効果的に活用できるようになります。MBTIを共通言語にすると成功するMBTIを社内で導入する際に重要なのは、MBTIを「共通言語」として活用することです。最終的には全社員に導入することを推奨していますが、最初はコストの負担が大きくなってしまうので、経営陣やマネジメント層、部署やプロジェクト単位など、日常的に関わり多いメンバーで受けるようにしましょう。誰か一人だけがMBTIを導入してもあまり効果が見込めません。お互いのMBTIタイプを理解し、尊重し合うことで、より良いコミュニケーションやチームワークに繋がるのです。定期的にMBTIを意識するMBTIを導入し自己理解と他者理解が深まったとしても、その場だけで終わっては意味がありません。定期的にMBTIを意識することが大切です。継続的な学習機会を設けている会社さんは非常に高い確率で有効活用が出来ています。「従業員同士で問題が発生したが、お互いの性格はどんなだろう」と考えることで、コミュニケーションが円滑になり問題解決につながります。もちろん、MBTIは顧客とのコミュニケーションにも有益です。「クライアントとこういう問題があったけどあの人はどういう性格なのだろうか」「自社の顧客層はこのタイプの方が多そうなので、どんなプロモーションをすると刺さり易いか」などをMBTIという1つのメガネを活用して対話してみるのも良いでしょう。社員の性格タイプを公開しておく可能であればMBTIを実施した社員の性格タイプを公開しておきましょう。MBTIを社員が受けたとしても、各々のタイプが周知されていなければコミュニケーションは促進されません。本人の同意が前提ですが、web会議の際の背景にタイプを記入しておく、タレントマネジメントシステムにタイプを入力しておくなどして、見える化しておくことを推奨します。あくまで参考程度に捉えるMBTIは、あくまでも自己理解や他者理解を深めるためのツールの一つとして捉えることが重要です。その人の性格や行動のすべてを決定づけるものではありません。MBTIは、思考や行動の「傾向」を示すものであり、状況や環境、成長によって表出する言動は変化する可能性があります。また、同じタイプであっても、一人ひとりの個性や経験、価値観は異なります。重要なのは自分自身と向き合い、強みや弱み、価値観などを理解することです。そして、その理解を基に、仕事や人間関係において、より良い選択や行動につなげていくことが大切です。コーチングも同時に導入してみるMBTIは、自己理解を深めるための有効なツールですが、結果だけを知っても具体的な行動変容にはつながりにくい場合があります。そこで、MBTIと合わせてコーチングを導入することで、より効果的に自己成長や組織開発を促進できます。コーチングとは、対話を通して個人の目標達成や潜在能力の発揮を支援する手法です。MBTIで得られた自分の特性や行動パターンへの理解を基に、コーチと目標を設定し、具体的な行動計画を立て、実行していくことができます。マネージャー層向け法人コーチングサービスなら「ZaPASS for Enterprise」【ご案内】法人向けコーチングサービスなら「ZaPASS for Enterprise」ZaPASSでは、マネジメント経験豊富なプロフェッショナルコーチによるマネージャー層向けコーチングサービス「ZaPASS for Enterprise」を提供しています。<3つの特長>①マネジメント経験×コーチング実績が豊富なプロコーチ陣が約200名在籍約200名のプロコーチから、対象者一人ひとりに最適なコーチをマッチングします。②コーチング効果を最大化する仕組み対象者一人ひとりのコーチング理解やモチベーションを高めながら、最適なコーチをマッチングするプログラムです。③コーチング導入の効果測定が実現できる独自プロダクト各社毎に専用のダッシュボードを提供し、プロジェクトの状態を可視化します。1名3万円/月から利用可能なプログラムとなり、エンゲージメント向上に関するご支援実績もございますのでご興味がある方は是非お問い合わせください。※サービス資料をご希望の方はこちらMBTIと企業に関するよくある質問MBTIと企業に関するよくある質問をご紹介します。Q:費用対効果はどのように考えればいいでしょうか?MBTIの直接的な費用対効果は数値化しづらいため一概にROIが〇〇です、とは言いにくいのが実態です。MBTIを受けることで自己理解・他者理解が進み、「関係の質」が向上します。「関係の質」が向上することによって得られる「結果の質」への影響は、ダニエル・キム氏の成功の循環モデルが示す通りです。従業員のコミュニケーションを改善し、組織を成長させていきたい企業にとってはおすすめです。Q:MBTI講座にかかる時間はどれくらいでしょうか?最低でも5~6時間は必要で、可能であれば8時間いただけると、より自己理解・他者理解が深まります。2,3時間のワークショップで実施できるものではありませんので、注意しましょう。(※複数日程に分けて開催することは可能です。)時間をかける分自己理解や他者理解が深まり、多様性が尊重できるようになるのです。Q:性格は変わらないのでしょうか?性格にはペルソナ(役割性格)とキャラクター(生まれもった性格)があると言われています。ペルソナは置かれている環境によって変化しますが、キャラクターは基本的には変わらないとされています。MBTIはあらゆる性格検査の中で、唯一キャラクターを診断できるツールだと言われています。MBTIは前述の通りワークシップを通して自身の性格を自己選択していきます。キャラクターを自己選択することを大切にしているので、長い時間をかけたワークショップや対話を重視しながら進行していきます。まとめこの記事では、近年多くの企業で導入されている「MBTI」について解説しました。MBTIを企業が導入することで、チーム決めの参考になったり人材教育に活用できるメリットがあります。しかし、MBTIはあくまでも自己理解を深め、他者とのコミュニケーションを円滑にするためのツールです。結果を個人の特性や能力を決めつけることなく、参考として捉えながら、社員一人ひとりの個性に合わせた育成やチームビルディングに活用していくことが大切です。MBTIの種類や種類別の割合が知りたい人は、【MBTI診断】16パーソナリティの割合/比率ランキング | 各タイプの相性も もチェックしてみてください。マネージャー層向け法人コーチングサービスなら「ZaPASS for Enterprise」監修者/インタビュイープロフィール石川 博基 氏:ZaPASSプロフェッショナルコーチ「働くをもっと面白く」をビジョンに掲げ、株式会社ツナグtobeの代表取締役として、企業向けに人事コンサルティングや研修・セミナーを提供し、個人向けにもコーチングサービス等を提供。新卒で成長環境として最も適していると考えた元リクルート系不動産デベロッパーである㈱コスモスイニシアに入社。入社後は仲介営業部門に配属され、多くのお客様の人生の決断を支援(新人賞、全社MVP×4回、顧客満足度No.1を受賞)。その後は同社の人事部を10年以上歴任し、人事マネージャーとしてあらゆる人事変革を推進。■関連記事【プロに聞く】1on1でもう悩まない。 コーチングとティーチングの違いを専門家が解説 【専門家監修】成果を出す1on1ミーティングのポイントとは?コーチングとの違いも解説【専門家監修】1on1を人事施策として組織に導入する際のポイントとは?コーチング型マネジメントとは?メリットやデメリット、実践する方法を解説ビジネスコーチングとは?メリットや流れ、コンサルティングとの違いを解説リーダーシップコーチングとは?目的や実践方法をご紹介組織開発におけるコーチングの有効性とその活用について。必要な組織の特徴や注意点を解説【コーチ監修】従業員エンゲージメントの向上にはコーチングがおすすめ?効果的な施策をご紹介【コーチ監修】離職率改善の効果的なアプローチとは?具体的な対策や注意点を解説【コーチ監修】エンゲージメントが低い企業はどうなる?原因や改善する方法をご紹介--------◾️【法人でのコーチング活用に興味がある方はこちら】▼法人向けコーチングサービス『ZaPASS for 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