あなたは毎日、怒りや悲しみ、不安や焦りといったさまざまな感情に、自身を揺り動かされていませんか。これらの感情に振り回されてしまうと、ストレスを感じ、仕事や人間関係にも悪影響を及ぼしてしまう可能性があります。感情自体はコントロールできるものではありませんが、マネジメントは可能です。今回は人材開発コンサルタントや成長支援コーチとして活動している遠藤さんに感情マネジメントについて、お話を伺いました。遠藤さんは、「フルネスと成長の循環をつくる」というミッションを掲げ、企業の人材育成や業務品質向上の施策(研修やコンサルティング等)の企画・営業・コンテンツ開発などを行いながら、パーソナルコーチとしても活躍されています。感情マネジメントとは感情マネジメントにはさまざまな定義がありますが、私は「自分のありのままの感情を受け止め、感情に飲み込まれずにうまく付き合えるようになること」と定義しています。人間は日々さまざまな感情を抱きます。しかし、感情は自分の意思で選ぶというより自動反応的に起こるものなので、感情を無理にコントロールしようとすると、かえって辛くなります。「ネガティブな感情を抱くのはよくない」「常にポジティブでいないといけない」とコントロールしようとすると、うまく制御できず逆に苦しくなる、という悪循環に陥ってしまうためです。感情は思い通りにコントロールするのではなく「うまく付き合っていく」ことが大切です。組織マネジメントでも、メンバーの状態を把握して個性を活かすことが大事であるように、感情マネジメントにおいても、自分の中にある様々な声を聴き、尊重して活かすことが大事です。感情マネジメント力を上げるならZaPASSコーチング感情について知っておきたいこと感情マネジメントをうまく行うためには、まず「感情とは何か」について知る必要があります。ここでは感情について知っておいてほしい、以下の4点について解説します。感情自体に「良し悪し」はないよく感情の中で「ネガティブな感情」と表現されるものがありますが、自分がネガティブに感じてしまうだけであって、感情そのものが悪いということではありません。感情は、自分にとって大切なことを教えてくれるためのサインやメッセージです。そういった意味でも、感情自体に良し悪しの評価をつけるのではなく、その感情が生まれた理由や背景に目を向けることが大切です。人の行動には必ず「肯定的意図」があると言われています。一見ネガティブな行動や思考・感情であっても、その奥には良い目的に向かう願いがあるという考え方です。例えば、怒りの感情は、その奥に何か守りたいものがあったり、それが守れない危機感から生まれていたりします。ネガティブに感じる感情であっても、その奥にある、肯定的意図を見てあげることが大事なのです。感情は「否定」したり、「なかったこと」にされたりすると逆に大きくなる都合の悪い感情を理性でコントロールしようとすると、水面下で抑圧され続けてしまい、結果的に暴走や爆発が起こってしまうことがあります。感情を否定して抑え込んだり見て見ぬふりをしたりするのではなく、どのような感情であったとしても、まずは評価・判断せずにその存在を「認知」することが大切です。感情に飲み込まれず自分の感情と「関係を持つ」ことが大切例えば悲しみなどの感情に身体全体が包まれてしまうような感覚がある時や、感情に振り回されて他のことが考えられなくなる時は、感情の中に入り込んで支配されているような状態です。このように「私は悲しい(私=悲しい)」など、「私」と「感情」が同一化している状態を「自己同一化」といいます。自分とうまく付き合うためには、この「自己同一化」から脱することが大事です。本来は「悲しい」感情があったとしても、自分全体が悲しくなるわけではなく、悲しいのは自分の中の一部なのです。「私には悲しいと感じている部分がある」というように一部として捉えると、その感情の「言い分」をニュートラルに聴いてあげることができます。これが、自分の感情と「関係を持つ」ということです。感情は自分という全体性の中の一部であると認識し、「感情と関係を持つ」姿勢が大切です。感情認識は「脳」と「身体感覚」のセットで行われている感情認識には、「脳」だけではなく「身体感覚」も深く関係していると言われています。例えば、怒りを表すときに「頭に血が上る」「はらわたが煮えくり返る」といった表現がありますが、ある感情が生じたときに身体感覚の変化も感じたことがあるのではないでしょうか?そのため、頭で感情を理解しようとするだけでなく、感情が起こったときの身体感覚に意識を向けることで、より自分の状態(気持ちの種類やニュアンス)を理解しやすくなります。感情マネジメント力を上げるならZaPASSコーチング感情マネジメントのメリット・効果感情マネジメントがうまくできるようになると、以下のようなメリットが生まれます。・自己受容、メタ認知力がUPする・感情に振り回されなくなる・他者を尊重する姿勢が養われる・自分らしく人や物事と付き合えるようになる自己受容、メタ認知力がUPする感情とうまく付き合えるようになると、どのような状態でもありのままの自分を受け入れられる姿勢が高まり、自己受容やメタ認知力がUPします。自己受容とは、自分のありのままをそのまま受け止めることで、「どんな自分でも自分である」という前提で、自分への愛情を持って弱いところも受け止められる状態を指します。またメタ認知とは、自分の中で起こっている思考や感覚などを客観的に認知することです。感情を無理にコントロールするのではなく、感情と関係を持つことで、自分を俯瞰的に見られるようになります。それにより、自分に不足するものだけでなく、あるものにも目を向ける姿勢が養われる傾向があります。メタ認知に関する記事はこちらを参考にしてください。【コーチ監修】メタ認知とは?重要性やトレーニング方法、メタ認知を促すコーチングのアプローチをご紹介 感情に振り回されなくなる感情のメッセージに耳を傾け、自分の本音や肯定的意図に触れることができると、身体反応も弱まったり、落ち着いた気持ちになることが多いです。そうやって自分の感情を怖がらずに受け止めていくと、怒りや悲しみといった感情に飲み込まれずに、自分を取り戻しやすくなります。他者を尊重する姿勢が養われる自分の中にあるさまざまな感情をありのままに受け止める姿勢ができると、他者に対しても「その人の肯定的意図がある」「ありのままを尊重する」という前提が生まれ、相手の気持ちや状況に対する関心が高まります。結果的に、相手への尊重や受容力が高まります。自分らしく人や物事と付き合えるようになる自己受容・他者受容する力が高まることで、自分自身や他者を大切にして行動しようとする姿勢が養われます。悪循環を生むような防衛行動も減り、肩の力が抜けて自然体になっていきます。その結果、自分らしくありのまま他者や物事と付き合う土壌ができていきます。感情マネジメント力を上げるならZaPASSコーチング感情マネジメントの実践(感情とうまく付き合う方法)感情とうまく付き合っていくためには、自分の中の多様性を認めることが大事です。私の中に「いろいろな自分」がいて、それぞれが私の幸せのために全力を尽くしているからこそ、様々な感情が生まれるという前提ってあげると良いでしょう。その上で、感情マネジメントの実践方法を4つご紹介します。感情が発しているメッセージを受け取る感情に対し、良し悪しなどの評価判断を保留して、まずはちゃんと自分の声を聴くようにしましょう。その際、「そんなことを考えてはいけない」「こう考えないといけないんだ」といった自分の意見は一旦保留して、それとは別に「そういう気持ちがあるんだ」と、そのまま聴くことが大切です。感情を身体感覚でもキャッチしてみる感情が起こったときの身体反応に意識を向けると、感情のメッセージを理解しやすくなります。たとえば、深く傷ついたとき、胸が締め付けられるような感覚があったら、その感覚が発しているメッセージに耳を傾けます。「私の中の何が、何を締め付けているのか?」といった、その感覚が表していることに関心を向けたり、聞こえてくる声(もう私の居場所はないんだ・・など)を捉えようとすることで、感情の意味をより深く理解できます。このように、「身体感覚がメッセージを発しているとすれば?」という問いを持っておくことがおすすめです。もし、メッセージが明確にわからなかったとしても、その感覚に関心を向けるだけでも意味はあります。自分だけで難しいと思ったときは、人と一緒に対話しながら探求するのもおすすめです。感情を見つめることと、行動は分けて考える感情的な状態から行動を起こすと、間違った選択をしがちです。そうならないためにも、感情のメッセージをまずはそのまま受け取ったうえで、一度自分を取り戻してから次のステップで実際どう行動するかを探るといった、段階を分けた考え方が重要です。「感情を受け止めること」と「感情の言いなりになること」は別のことです。それを区別するためにも、特に自分にとって都合が悪い感情のメッセージを聴くときには、「まず問題解決しようとしないで、ただ言い分を聴く」というスタンスがおすすめです。たとえば、「全部投げ出して休みたい」という声があるのに「仕事は投げ出せない」と現実的な行動をイメージしてしまうと、本音が聴けなくなります。「そういう気持ちがあるんだ」と、ただ存在を認めることで、「本当は誰かに気にかけてほしかった」などの思わぬ本音や肯定的意図を感じとることができると、次の段階で行動の糸口も見つけやすくなります。また、ネガティブに感じる感情にひっぱられて行動が止まるメカニズムから脱却するのも大切です。たとえば、何かに挑戦しようと思ったときに不安を感じてしまうと「本当にやりたいことではないのではないか」と行動にストップがかかってしまうことがあります。こういった場合に、感情と行動を切り分けて「不安な気持ちがあっても行動できるんだ」という前提を持つことで、前に進みやすくなります。捉え方を転換する感情に向き合うこととは別のアプローチとして、リフレーミングと言われる「捉え方を変えてみる」方法もあります。たとえば、何かを失敗した際に「失敗はダメ人間の象徴だ」と捉えるのではなく「失敗は成功の糧である」と捉えると、気持ちが変わってきます。捉え方を変えるというのは一人では難しい場合もあるので、誰かに協力してもらうのもおすすめです。ZaPASSのコーチングを受けていただくと、異なる視点から捉え方を変えるお手伝いができますので、一人で悩まれている方はぜひ検討してみてください。ZaPASSコーチングで体験セッションをする感情マネジメント力をUPするポイント感情マネジメント力をUPさせるためには、以下の4つのポイントが大切です。・自分の感情が振れる場面を知る・自分が大事にしていることに意識を向ける・「ねばならぬ」思考、結果への執着を手放す・自分の感情や感覚について、他者と対話する機会を持つ自分の感情が振れる場面を知るまずは、自分の感情がどのような場面で振れるのかを知りましょう。特に、うまく付き合えていないと感じる感情(怒りや不安など)については、その感情が起こる原因や結果として起こる行動のパターンを知っておくことで、対処方法が見えやすくなります。自分が大事にしていることに意識を向ける感情は願いなど大事にしていることに触れて生まれてくるため、自分の大切にしている願いや価値観をクリアにしていくと、感情理解にも役立ちます。また、何が大事かを明確にしておくことで、感情を理解した後に冷静に行動を選択する際の「道標」にもなります。自分ひとりで考えるのが難しいと感じた場合は、第三者から問いやフィードバックをもらいながら探求すると、自己理解を深めやすいでしょう。「ねばならぬ」思考、結果への執着を手放す「~でなければならない」という「ねばならぬ思考」が強いと、執着が生まれて自分を見失いがちです。とくに、自分の理想と現実に起こる結果にギャップがあると自分を苦しめてしまうでしょう。たとえば、「人を大切にしたい」という願いが「人を大切にしないといけない」「すべての人に優しくしないといけない」などの「ねばならぬ」に変換されると、自分の中に嫌いな人が存在することを否定しようとするなど、感情の押さえつけが始まりがちです。一度冷静になって執着を手放すと「人を大切にしたいという願いを持ちながら、嫌いと感じる人とどう付き合っていくことができるか」と建設的に考えられるようになります。自分の感情や感覚について、他者と対話する機会を持つ自分が今感じているものを言葉にして誰かに聞いてもらうことや、他者の感情や感覚を共有してもらうことは、より深い自己理解につながりやすいです。そのため、対話の機会やコーチングなどの場を活かして、自分の感じていることの解像度を上げることもおすすめです。ZaPASSのコーチングを受けていただくと、対話のプロであるコーチとの対話を通じて、自分の大切にしていることや、思考の癖に気づくことができます。自己理解や成長のヒントを得る場として、ぜひコーチングも活用してみてください。感情マネジメント力を上げるならZaPASSコーチング感情マネジメントに関するよくある質問感情マネジメントに関するよくある質問を2つご紹介します。Q:感情を味わうと、余計に飲み込まれませんか?感情に飲み込まれているときは、はじめに感じた感情から連鎖的に引き起こされる「二次的ネガティブループ」にはまっていることが多いようです。感情には一次感情と二次感情の2種類が存在すると言われています。一次感情が最初に感じるものでありながら、意識されずに二次感情が中心に認識されてしまう傾向があります。一次感情:喜びや悲しみ、恐れや嫌悪といった基本的な感情二次感情:さまざまな感情が混ざって生まれる罪悪感や嫉妬、焦燥感などの複雑な感情二次感情と同時に「なんでいつも私が損をするのか?」「誰も私をわかってくれない」といったネガティブ思考ループがぐるぐると展開されたりもします。こうした二次感情や思考の「二次的ネガティブループ」にはまると抜け出しづらくなります。まずはネガティブループ思考から離れることが大事です。そして、二次感情の奥にある一次感情や、背景にある肯定的意図などに目を向けることで、本当の気持ちに触れられると、気持ちが落ち着いてきます。Q:気持ちをコントロールしようとしても、うまくできないです・・・これまで紹介してきたように、感情をコントロールしようとするよりも、自分の中にある感情と関係を持ち、メッセージを理解してあげる姿勢で、自分との付き合い方を実験的に模索し続けることが大事です。とはいえ、うまく気持ちと向き合えないときは、気になっていることを全部書き出すなど、一度頭の中を空にしてみるのも、落ち着きを取り戻す一つの方法です。自分ではうまくできないが、コーチングを受けるには少しハードルを感じる、、、という方にはZaPASSジャーナリングがおすすめです。https://zapass.co/journalingまた、自分に向き合う土台をつくるためにも、マインドフルネスを意識するのはとても大事なことです。マインドフルネスとは、「今ここ」にあるものをありのままに受け止めている状態のことです。思考は「過去」や「未来」を考えていますが、「今ここ」にアクセスしているのは感情と身体です。これまで紹介した感情をありのまま受け止める習慣づくりに加え、日頃から身体感覚にも意識を向けると、マインドフルな状態をつくりやすくなります。例えば、身体の内側の感覚を感じる「ボディスキャン」という方法があります。足の先から頭のてっぺんまで、身体のそれぞれの部分にどんな感覚があるかを確かめていくものです。感情的になっているときにボディスキャンをするだけでも気持ちが落ち着いたり、そのまま眠ってしまったりすることもよくあります。その他、以下のような方法もあるので、自分に合うもの、困ったときにすぐ実践できることをいくつか持っておくと、マインドフルな心のベースを整えることに役立つでしょう。● 呼吸の瞑想(呼吸している鼻からの空気の流れや身体の動き、感覚を感じる)● 食べる瞑想(食べ物の匂いや触感など、五感で丁寧に味わいながら食べる)● 歩く瞑想(散歩中に匂いや音など五感に意識を向ける、足の感覚に意識を向ける)なお、色々と試しても感情に向き合うことが辛いときもあるかもしれません。そういう時は全て自分で何とかしようと抱えこまず、専門家や周囲の方など他者の力を借りることも大事な感情マネジメントの一環です。感情マネジメント力を上げるならZaPASSコーチングまとめこの記事では、感情マネジメントとは何か、そして感情マネジメントを身につけることで得られるメリットについて解説しました。感情は無理に抑え込むのではなく、感情のメッセージを理解し、自身にとってより良い状態を目指せるように行動を選択できるようになることが重要です。自分一人ではうまくできない場合には、コーチングやジャーナリングを活用してみましょう。ZaPASSコーチングで体験セッションをする監修者/インタビュイープロフィール遠藤 尚子 氏:ZaPASSコーチ/人材開発コンサルタント/成長支援コーチ服飾品販売会社の営業職、証券会社の管理事務(派遣社員)を経て、人材開発業界へ転職し2社を経験。人材開発の仕事を通じ、「一人ひとりの個性に合った成長支援がしたい」という想いが強くなり、コーチングに出会う。現在は、HRD(人材開発)コンサルタントとして、企業の人材育成や業務品質向上の施策(研修やコンサルティング等)の企画・営業・コンテンツ開発などを行いながら、副業でパーソナルコーチとして活動。■関連記事【コーチ監修】コーチングとは?意味やメリット、実践するためのポイントをわかりやすく解説コーチングのテーマはどう決める?テーマが重要な理由やテーマの具体例をご紹介コーチングを受けるか迷っている方へ!メリットやコーチングの流れ、準備について解説コーチングの費用相場はどれくらい?自分に合った費用の決め方や、費用を抑える方法についてご紹介コーチングとティーチング、カウンセリングやコンサルティングの違いを解説失敗しないコーチ選びの6つのポイントとは?コーチを探す方法も解説AIコーチングとは?AIを活用したコーチングの特徴やメリット、懸念点をご紹介コーチングの基本とは?コーチングの3原則とよくある誤解について解説コーチングでの目標設定はどうしたらいい?効果的な目標設定のポイントや失敗例を解説コーチングを受ける際の準備をプロフェッショナルコーチが徹底解説コーチングは継続するべき?継続するメリットや効果的な活用方法をご紹介メタ認知とは?重要性やトレーニング方法、メタ認知を促すコーチングのアプローチをご紹介【法人・個人】コーチングの導入事例をご紹介!成功させるためのポイントも解説自己理解とは?必要性やコーチング等で自己理解を深める方法をご紹介アンラーニングとは?メリットやコーチングを活用した効果的なやり方を解説リーダーシップコーチングとは?目的や実践方法をご紹介ビジネスコーチングとは?メリットや流れ、コンサルティングとの違いを解説【コーチ監修】振り返りが果たす役割とは?振り返りの方法やコーチングを活用して効果的に行うポイントご紹介【コーチ監修】思考の癖と認知の歪みとは?代表的なパターンやコーチング等を活用した対処法をご紹介自己認知とは?メリットやコーチング等で自己認識能力を高める方法をご紹介【コーチ監修】セルフマネジメントとは?身につける方法やできる人とできない人の違いをご紹介【コーチ監修】感情マネジメントとは?感情の特徴や、感情とうまく付き合うアプローチ・メリットをご紹介