コミュニケーション欲求タイプとは、自己主張や感情表現の強弱をもとに、人が持つコミュニケーション欲求の要素を4つに分類したものです。コーチングセッションにおいて活用されることもあります。コーチングセッションにおいて、相手に信頼してもらい、良い関係性を作ることは、本音で話してもらうために、重要なポイントです。この4分類を学び、活用できるようになることは、コーチとしての自分の良さを活かしながら、クライアントの特性に合わせて効果的に関わることに繋がります。今回は、株式会社ガイアックスにて社内コーチを務めながら、ZaPASS認定プロフェッショナルコーチとしても活動する横峯智子さんに、コーチング学習についてお伺いしました。コーチングで活用できる4つのコミュニケーション欲求タイプとはコーチングで活用できるタイプ分け™️として、CAPSと呼ばれるコミュニケーション欲求の分類があります。CAPSはそれぞれのタイプの頭文字の組み合わせで、自己主張の強弱や感情表現の強弱をもとに、人が持つコミュニケーション欲求の要素を4つに分類しています。タイプ・分類と聞くと人を何タイプかに当てはめて考えるようなイメージもわきやすいですが、コーチングセッションにおけるCAPSの活用は、目の前のクライアントを型に当てはめることが目的ではありません。コーチングセッションの効果を上げるための1つの指標として活用するのが良いでしょう。(C)コントローラータイプコーチングのタイプ分け™️1つ目は、コントローラータイプです。自己主張が強く感情表現が控えめなコミュニケーションを持つ方を、コントローラータイプと呼んでいます。他者に任せるのではなく自分で判断したいという欲求があったり、主導権を握りたいという自己主張がしっかりしているタイプと言われています。話の結論を急いだり、感情がストレートに出ることもあります。(P)プロモータータイプコーチングの4つのタイプ2つ目は、プロモータータイプと呼ばれています。自己主張が強く、感情表現強めなタイプとして、「会話を楽しみたい」「場をもっと盛り上げたい」という傾向が見られます。周囲の反応を気にしながら自分の影響力がどれほどかを判断するため、承認欲求が強いタイプともいえるでしょう。自分のアイデアを大切に考えていて、否定されることを嫌う特徴があります。(S)サポータータイプ3つ目のタイプは、サポータータイプです。自己主張が控えめで、感情表現が強めな方が該当します。他の人が楽しいかどうかを大事にしてバランスを取るタイプでもあり、自分を抑えたり周りの目を気にしすぎたりする傾向にあります。また、対立を避ける性質があり、他者の期待に応えようと自分の意見を後回しにする点も特徴です。優しい人や人当たりがいい人として見られることが多く、他者との合意が行動の原動力になります。(A)アナライザータイプコーチングにおける4つ目のタイプとして、アナライザータイプが挙げられます。自己主張も控えめで、感情表現も控えめな「じっくり考えたい」「分析したい」を大事にするタイプです。感情や感覚を問われた時にあんまりピンとこない反応も特徴で、物事をロジカルに考える傾向にあります。また、自分の考えが正しいと分かると、行動の熱量が上がるといった性質も持ち合わせています。4つのタイプを見分ける方法相手のタイプを知るには、質問を投げかけたり、相手のコミュニケーションをよく観察することが大切です。話し方や話すスピード、長さや声のトーン、ノンバーバルな部分での表情とか姿勢などから、それぞれのタイプの特徴を推測します。・コントローラーは速いスピードで話し、結論から要点を短くまとめます。・プロモーターは、話すスピードは速いですが、あちこちに話が飛んだり全体的に話が長くなりがちです。・サポーターはゆっくり話す点が特徴で、前置きから終わりまで話のボリュームがあり、長くなります。・アナライザーはロジカルにゆっくりと話す傾向にあり、単調な印象を受けることが多いでしょう。自分のタイプを知りたい場合は自己判断または他者からフィードバックをもらう自分自身のタイプはそれぞれの特徴を踏まえて自己分析をします。その他には、CAPSを知る他者からフィードバックをもらうこともできるでしょう。4つのタイプ別におけるコーチングのポイントコーチングセッションにおいての活用として、クライアントをタイプに当てはめることが目的ではありません。また、4つのタイプに綺麗に分かれるというわけではなく、どんな人も全ての要素を持っており、環境や相対する人によって表れる要素が異なるものという捉え方をしています。例えば、コントローラーが80%で、アナライザーが20%のようなケースも考えられます。コーチングセッションにおいては、CAPSを1つの指標にしながら、相手にとって効果的な質問や声かけを意識しましょう。コントローラータイプの場合自分で決めたいという気持ちが強いので、セッションのテーマ決めや進め方を含めてクライアントの意思を尊重すると良いでしょう。コーチ側で誘導しようとしすぎてしまうと、窮屈に感じたり、イライラにつながったりすることがあります。まずはクライアントに主導権を渡し、コーチの声かけも断定ではなく「〜ということですか?」と確認をするような声かけをすることも良いでしょう。また、フィードバックを意欲的に求め、自分が決める上での参考として受け取りたい傾向にあります。プロモータータイプの場合プロモーターの場合は、自分が話したい気持ちが強いので、たくさん聞いてあげるのが大事です。話を聞いている時もしっかりとリアクションしましょう。聞き手がつまらなそうにしていると感じてしまうと、エネルギーが下がってしまう特徴があります。聞き手として、興味を持っていることを頷きや表情で伝えながら話を聞くことが大切です。話が飛んでしまいやすい傾向にあるので、コーチとして、何がポイントかなど要点をまとめたり、終盤では改めて何が大事なのかを確認したりすると良いでしょう。サポータータイプの場合理解されたい気持ちが強いため、自分のことであっても探りながら恐る恐る話す傾向にあります。受容と共感が大事になるタイプで、コーチ側の自己開示も求められます。セッションが安心安全の場になると、本音が出やすくなるでしょう。また、人に合わせやすく相手のためを思う傾向にあるので、コーチの言っていることに合わせてしまう場合もあります。本当に納得しているのかを確認しながら、フィードバックは断定的に伝えるのではなく柔らかく伝えるようにしましょう。アナライザータイプの場合アナライザーは1つ1つ丁寧に納得感を持って進めたい性質があるので、しっかりと理解したい気持ちが強くなります。セッションでもゆっくり話す方が多いため、コーチ側からも1つの問いに対してじっくり時間をかけて展開していくと良いでしょう。自分の考える時間も大切に考えていて、話の間が長く感情表現も出づらいため、不機嫌に感じてしまうこともあります。ただし、その間の中でクライアントは内省を深めているケースもあるので、じっくり待つことも大切です。正反対のタイプに対する接し方ここでは、コーチとクライアントのタイプが正反対だと分かった時に、気をつけた方がいい接し方を解説します。図における両極に存在するコントローラーとサポーター、またはプロモーターとアナライザーが当てはまります。一般的にはコーチングの4つのタイプの中では相性が良くないと言われることもありますが、一概に相性が悪いとは限りません。クライアントが真逆のタイプを好む場合もありますし、自分にはない性質がリソースにもなり得るでしょう。その上で大事なのは、コーチングやコーチの関わりに対しての期待値の擦り合わせです。コーチ自身が率直に自分はこういうタイプであり、クライアントからこういう印象を受けることが多いと自己開示しましょう。その上で、相手がどんな関わり方を求めているか、聞いてみましょう。セッションの効果はコーチとクライアントの関係性で大きく変わるため、良さそうな関わり方を作っていくことが大切です。【ご案内】コーチング解説資料&セミナー動画無料プレゼントここまで読んでくださった方に、ビジネスパーソン向けコーチングスクール「ZaPASSコーチ養成講座」監修の解説資料と、2.5時間分のセミナー動画を無料プレゼントいたします。よろしければお役立てください。プレゼントの受け取りはこちら4つのタイプ分け™️を理解しておくメリット4つのタイプを理解すると、コーチングセッションへ良い影響が生まれ、コーチ自身もレベルアップすることが可能です。自分の良さを活かしながらクライアントに合わせることや、相手の良さを引き出せるようになります。クライアントがより話しやすい環境をセットアップできるようになるので、良い関係性を育めるようになります。結果としてセッションで大きな気づきにつながり、コーチングセッションの効果が良いものへと変化していくでしょう。コーチ自身においては、自らのコミュニケーションの特徴や癖を把握できるようになります。そのため、自分が陥りやすいパターンや苦手意識を感じるタイプへの関わり方に対して、客観的に捉えることができます。4つのタイプ分け™️に関する注意点全員を4つのタイプ分け™️に分類できるとは限らないクライアント全員を綺麗に4つに分類できるわけではなく、個性があり個人個人で悩みが違うからこそコーチが必要になります。今いる環境や場面、関わる人の関係性によってもどんな側面が出てくるかは変わるでしょう。コーチングの4つのタイプをフレームワークとして持ちつつ、目の前の人に評価や判断なくニュートラルに対峙することが大切です。グラデーションがあり、多くの人が複数のタイプの特徴を持っている4つのタイプを情報として持ちながらも、目の前の人が何を感じているかや何が問題かをしっかりと傾聴していくことが重要です。4つのタイプ分け™️という概念は存在するものの、それに囚われすぎてしまうのはコーチとしてよくありません。全ての人を型に当てはめようとすると失敗する可能性もあるので、あくまで補助的に活用しましょう。コーチングスキルに関するよくある質問Q:4つのタイプについて学べる本はありますか?コーチングの4つのタイプについてより学びたい方は、以下の書籍を参考にすると良いでしょう。「図解 コーチング流タイプ分けを知ってアプローチするとうまくいく」https://amzn.asia/d/8SubqRb人それぞれ違う価値観や性格、行動パターンなどをタイプに分け、コーチングセッションに役立つ内容を学ぶことができます。まとめこの記事では、コーチングの4つのタイプについて詳しく解説しました。また、4つのタイプを見分ける方法や接し方についても紹介したので、ぜひコーチングセッションに取り入れてみてください。ただし、4つのタイプはあくまで補助的なものなので、全てのクライアントが綺麗に分かれるわけではありません。関係性を築くためのフレームワークとして活用しながら、目の前の人が何を感じているかをしっかりと傾聴していくことが重要です。コーチとクライアントの関係性をより良いものにし、コーチングセッションの時間を豊かなものへと変えていきましょう。監修者/インタビュイープロフィール横峯智子氏:ZaPASS登録コーチ / ZaPASS アカデミー事業責任者/株式会社ガイアックスコーポレートカルチャー推進室責任者 兼 社内コーチ東京大学大学院サステイナビリティ学修士課程を修了後、株式会社ガイアックスに入社。子会社の社長室立ち上げ、新規事業立ち上げなどを行なった後、コーポレートカルチャー推進室責任者に就任。ZaPASSコーチ養成講座を修了後、ZaPASS登録のプロフェッショナルコーチとして活動をしながら、300名を超える修了生を抱えるZaPASSアカデミー事業部の責任者を務めている。2019年にコーチとして活動を開始し、2024年1月現在までに100名を超えるクライアントと、合計400時間のコーチングセッションの時間を共にしている。 ■関連記事【コーチ監修】コーチングとは?意味やメリット、実践するためのポイントを解説コーチングはどうやって学ぶ?おすすめの勉強法や効率よく学ぶ方法をご紹介コーチングに資格は必要?資格の種類や費用、取得するメリットをご紹介コーチング学習にスクールや講座は必要なの?メリットや選び方を徹底解説コーチングを学ぶためにおすすめの本7選!メリットや学ぶ方法を解説コーチングとティーチング、カウンセリングやコンサルティングの違いを解説コーチングを仕事にする方法は?仕事内容やメリット・デメリットを紹介します