今回お話を伺ったのは、株式会社WUUZY(ECのプロ運営)取締役 富永 一史さん。同社の共同創業者である富永さんは、博報堂DYグループに参画後、「経営」「個人」のどちらにおいても、進みたい道がわからなくなっていました。しかし、ZaPASSエグゼクティブ向けコーチング(ルーツダウン、ビジョンメイキング)を通じて、自身のアイデンティティを深く理解し、自分らしいビジョンとミッションを手に入れたそうです。「経営」「個人」の双方で、様々なシーンで変化があったそうです。「岡村コーチによって可能性を広げてもらえ、考え方ひとつで自分が幸福に生きられる経験をした」と語る富永さんに、ZaPASSエグゼクティブコーチングで体験したことについて、お話を伺いました。------------------------▼変化の概要ルーツダウンで自分の人生を振り返った。自分の意思決定のルーツから自分らしさを発見し、理想とするビジョン・ミッションを描いてスタートを切った。▼Before博報堂DYグループに参画後、経営者としての軸がブレていて、次の軸や理想を見つけたいと思っていた。▼After「自己否定はダメ」「直感で行動するのはダメ」という固定観念から抜け出し、自分の強みを活かした経営、生き方をできるようになった。------------------------博報堂DYグループに参画後、道に迷った感覚ーコーチングを受ける前は、どんな状況でしたか?「経営」と「個人」の両方で課題感を感じていました。博報堂DYグループに参画後、ビジョンや会社として実現したいことは言語化できているものの、腹落ちしていない状態で話をしている、役割を演じている自分がいて…。経営者としての軸が大きくブレていて「改めて次の軸を見つけたい」と考えていたのです。個人としては、サラリーマン時代から長所だと思って取り組んできたことに疑問を持つようになっていました。目標を立てて潰す高い目標をクリアするために全力で取り組むサラリーマン時代はもちろん、経営者になってからも、家族や子どもとの時間を犠牲にして仕事に集中してきました。「一生高い壁を立てて、仕事をやり続けるのだろうか?」やり続けたところで「果たして、自分は何がしたいのか」と考えても、わからなくなってしまったのです。自分の幸せを考えたとき、答えが出せない自分がいました。まるで、道に迷っているようでした。これらの課題感をコーチングで解決できるとも思っておらず、行動しながら答えを見つけようとしていた状況でした。先輩経営者や同世代の目標を達成した人に話を聞いたり、環境を変えてみたり。しかし、いろいろ試しているなかで、コーチングが一つの手段として見えてきました。ー体験セッションを受けて、コーチングを受けようと思った決め手は何だったのでしょう?岡村コーチから他の経営者の方々の話を聞き、みなさんが理想の状態を体現されていると感じたからです。ぼくが知っている経営者の方も岡村コーチからコーチングを受けていました。普段は非常にロジックに基づいて仕事を進める方です。どちらかと言えば「コーチングってどうなんだろう?」と懐疑的な視線を向けそうな方なのに、人づてに「とても良かった」と仰っていたと聞き、興味を持ちましたね。正直、ぼく自身は体験セッションを受けても、コーチングで理想に近づくイメージは、初めは持てなかったです。でも、やってみないと自分が見える世界は変わらないし、他の経営者の事例から理想の状態に近づく有効な一つの手段であることは理解できました。取れる手段は全部取りたいほど、切実な課題だったので受講を決めました。パラダイムシフト。改善すべき部分こそが“自分の強み”ー今抱えておられる葛藤について深堀りをする「ルーツダウン」のセッションを行いました。受けてみて、いかがでしたか?正直にいうと、最初は「この質問に答え続けて、どうなるねん」という気持ちでしたね。初めの方は、ゴールがイメージできない時間が割と長く続いた印象でした。「直感が大事です」と言われたので、考えた事がない質問に対し、直感に従って答え続けていて。しかし、セッションが進むに従って、問いに対する答えがどんどん良い言葉に変わった印象を受けました。ーポジティブな言葉へ変わっていったきっかけは、何だったのでしょう?岡村コーチからもらった一言がきっかけでした。当初ぼくはネガティブな言葉で自分を否定し続けていました。また、経営でも「ダメであることは課題。そして、課題は解決しなければならない」と考えて取り組んでいるため、”ダメな自分”は”解決しなければいけない課題”だと捉えていました。そんなぼくの考え方に対して、岡村コーチはこうおっしゃいました。「ダメなものをダメだと捉えて、行動できることが“富永さんらしさ”では?」「富永さんはダメだと思っているけれど、ある人から見たら、満足してふんぞり返っちゃうくらい素晴らしいアイデンティティかもしれませんよ」思いがけない言葉に、ハッとしました。「自己否定を繰り返すことで自分を奮い立たせること」がぼくのアイデンティティ。自己否定するクセを直したいと思っていたのに、直したいと思っているクセ自体がぼくの長所だと言ってもらえたことで、パラダイムシフトが起きました。「自己否定をして自分を奮い立たせるのが自分なんだ。これは解決すべき課題ではなく、ポジティブな状態なんだ」そう思えてきて、ワクワクしてきました。「早くミッションを見つけたい。ゴールを決めさえすれば、自己否定してさらに飛躍できるんじゃないか」と期待を抱いて、ビジョンメイキングのセッションに入りました。本当に楽しい気持ちで、モチベーション高く考えられました。ーまさにパラダイムシフトですね。アイデンティティに気がついたことで、他にどんな変化がありましたか?他者に対しても、同じように考えることができるようになりました。悩んでいる部下の相談にのったとき、こんな風に言えるようになったのです。「悩んでいること自体が強みなんじゃない?変えられないということは、それが自分自身の一部であり、どこかで肯定している部分があるんじゃない?それはそれでいいと思うよ」部下からは「富永さんの言葉に救われました」と言ってもらえるシーンが多くなったと感じています。ー素晴らしいです。マネジメント以外でも変化はありましたか?ありましたね。ぼくはセッションの間、ずっと仕事の課題についてルーツを探っていきましたが、「家族という枠組みでも深掘りしたらどうなるだろう?」と考えてみました。自己否定をして自分を奮い立たせるアイデンティティは、人生や家族との関わり方についても活かされているのか、と。すると、家族に対しては何もアップデートもPDCAも回せていない自分に気がつきました。プライベートの部分での幸福は追求してこなかったんです。今までぼくは「子どもを幸せにするために仕事がある。だから仕事を優先する」という考え方をしてきました。だから、家族と過ごしているときも、常に携帯を見て仕事を進めたり・・・仕事と家庭を両方充実させることは難しいと捉えていたのですが、「家族といるときは、その場に集中しよう」と考え方を変えました。家族という枠組みで課題を見つけて、次にトライする何かを見つけていくように変えたのです。今までも家族との関係が悪かったわけではありませんが、関係性が良好になっていると感じています。ぼく自身、岡村コーチから問いをいただき、インサイト(心の内側)を見ていきました。問いに答えて初めて気がついたこともあったので、妻にも同じ問いを投げかけてみました。すると、夫婦の関係性が上手くいっていなかった部分に対して、互いの気遣いが足りなかったと気づいていけました。また、「今の状態はお互いにとって理想なのかな?理想じゃないなら、変えていこう」とぶつからずに対話ができるように変化していきました。ー富永さんのルーツは、明らかになりましたか?明らかになりましたね。最終的には「“直感力”こそがぼくのルーツではないか」という話になりました。今までの人生を振り返ってみると、直感で何も感じないときは、本当に何もしない方がいい。「こうだろうな」と思っているときは、そこにヒントがある。直感が働いているときは、行動した方がいいというセンサーを持っていることがルーツだとわかったのです。ルーツが見つかるまでに3〜4回のセッションが多いと聞いていたのに、ぼくの場合は8回もセッションを行ない、グルグルと同じところを回っていました。岡村コーチからはこのようなやり取りを繰り返していました。 (※経営者向けエグゼクティブパッケージ申込者のみ追加セッションを無料としています。)岡村コーチ:「自分の考えを否定しているとき、どんな気持ちでしたか?」自分 :「頭では納得しているけれど、腹では納得していない感覚です」岡村コーチ:「納得していないのは、何でしょうかね?」自分 :「直感ですから、理由はわからないです…」それまでのぼくは、直感で物事を決めるのはダメで、ロジカルに考えて理路整然と理由を述べなければいけないと思っていました。ロジカルシンキングを必死で勉強した時期もあって。でも、8回のセッションで「あのとき、どういう風に意思決定したんだろう?」と過去の人生を振り返ってみたら、明らかに直感に頼っていたシーンがありました。「直感で判断することが自分のルーツ」という言葉に、納得感を持てました。強みを活かした先にあるビジョンービジョンメイキングは、どのように進みましたか?「直感で生き続けた結果、どういう世界になりますか?」という問いから始まりました。自分の強みを活かした世界を作ったとき、どんな理想を描けるかを視覚、聴覚などの五感を使って具体的に言葉にしていきました。右脳を使いながらイメージを膨らませていくことで、理想の状態を具体的に定義できていきました。ービジョンメイキングを終えて、どのようなものが手に入ったのでしょう?ぼくのミッションは「自分が幸せにしたいと思える人たちと一緒に、村や街をつくる」ことです。強みを活かして仕事をしている人、尊敬している人たちがいて、その人たちと一緒に大きな幸福の輪を作っていくビジョンが手に入りました。ぼくが取締役を務める株式会社WUUZYでは、「ECのプロ」という4,000名以上のECのプロが登録するECに完全特化した複業マッチングサービスを提供しています。「この人だったら、こういう事業を作るんじゃないか」「この人だったらこの企業が合うんじゃないか」と直感を働かせながら、どんどんビジネスを発展させてきた経緯があって。その延長線上に「自分にない強みを持っている周りの人たちが一緒になって、幸せの輪を作っていきたい」と思うようになったのです。そのような想いでビジョンができ上がりました。得られたのは、固定観念から抜け出して思考するスキルー岡村コーチのセッションを受けて、どのように変わりましたか?「直感は自分らしさ」だとポジティブに捉えなおすことができ、強みに変えられました。今までは直感が働いても、ロジカルな人に相談して、自分の直感で出した決断を批判してもらっていました。失敗したくなかった。直感と逆の選択をすることで「自分はみんなと違ったロジカルじゃない選択をして、ダメなんだ」と思っていたのです。でも、今は直感が働き「その選択肢がみんなが考えていないことだったら、逆に可能性があるんじゃないか」と思うようになりました。潰していた直感を遂行しよう、やり続けようと思える自分に変わったのです。経営会議でも、直感的な選択をアウトプットすると「すごくいいね」と言われることもありました。「根拠はなに?」とは聞かれることもありますが、強みだと思えているからこそ、臆せずにぱっと閃いたものを言えるようになってきています。また、スピード感を持って決断できるようにもなりましたね。自己否定は変わらずありますが、頻度は少なくなり、落ち込んでもすぐに前を向いて、力に変えられるように変わっています。ー大きな変化ですね。その他にもありますか?前提条件は脇に置いて、一旦考えてみる。コーチングを通じてこの思考法に意味があると腹落ちしたので、周りに対して話をするときの質問の幅が広がりました。岡村コーチからビジョンに関する質問をされたとき、最初のうちは「富永さんの理想を実現したら、その先に何があるでしょう」という問いは、「そんなの妄想に過ぎないから、考えてもムダ」だと思っていました。でも、「理想が実現した先で、どうしたいと思っているのか」を考えると、本音が見えることがあると思うんです。たとえば、「メンバーがマネージャーになりたい」と言ったとき、今までなら「そうなんだね。なるためにはどうすればいい?」と尋ね、質問はそこで終わっていました。コーチングを受けた今は「マネージャーになったら、どうしていきたい?」という問いを投げかけています。本当にやりたいと思っているのか、義務感なのかを考えてもらえる時間を作り出せるようになりました。相手の思考の幅を広げられ、自分もその人に対する興味が増すので、コミュニケーションの幅が広がりましたね。また、今までは自分の結果に関わる部下には本気でコミットして、そうじゃない部下には関心が持てない自分がいました。ぼくは岡村コーチによって可能性を広げてもらえ、考え方ひとつで自分が幸福に生きられる経験をしました。現実は何一つ変わっていないのに、自己否定をして奮い立たせることがアイデンティティと捉え直しができたら、ネガティブからポジティブに変わっていって。この経験から、ネガティブな部分をみて自己否定をしている人を見ると勿体ないなと感じるようになりました。その人に興味を持ち、自分が聞かれて良かった問いを投げてみることもあります。今まで興味を持てなかった人ともコミットするようになったので、関心の輪も広がったと感じています。左脳派、ロジカルシンキングが得意な経営者にこそおすすめー岡村コーチのエグゼクティブ向けコーチングを、どんな人におすすめしたいですか?ロジカルシンキングが得意で、ロジックでキャリアを積み上げてきた経営者におすすめしたいです。経営にもアートや右脳的な側面が求められていたり、脳の使い分けは大切だと言われています。とはいえ、普段使っている脳が優位になりがちなので、左脳優位な方は自然に左脳を使っていると思うんです。コーチングで右脳を働かせる問いをもらい、強制的に右脳を使うことで、右脳を覚醒させられるのではないかと思います。また、目標を達成した後、さらに上昇したいと思っている経営者の方にもおすすめです。順調に上昇している経営者にとって、コーチングは一つの良いきっかけになるんじゃないでしょうか。自分自身のスキルアップにもなるし、強みを知り、より最適な決断ができるのではないかと思います。ちなみに僕は右脳人間なのですが、左脳派の方にはもっとおすすめという趣旨です笑逃げずに向き合い続けられたのは、岡村コーチだからこそー岡村コーチへのメッセージをお願いします。一貫してプロフェッショナルな対応をしていただき、ありがとうございました。ご自身の意見を交えずに問い続けて下さったおかげで、自分と向き合う時間を作ることができました。ぼくはアドバイスを求めがちな性格なので、もしアドバイスをいただいていたら、素直に「こうします」と言っていたと思います。毎回同じトーンで問いかけてくださいました。大きくうなずいたり、深く共感も示すわけでもなく、ぼくの人生を深掘りする質問を繰り返してくださっていて。こちらから質問をしても「富永さんのなかに答えがあるから」とおっしゃってくださり、ある意味、逃げ道を塞がれた状態を作ってもらったので、自分と向き合い続けられました。だからこそ、深い思考に行き着き、ルーツとミッションが見つかったのだと思います。6回もルーツを深掘りするセッションを繰り返し、自分でも本当に見つかるのか不安に思っているなかで「20回の人もいるから、大丈夫」とおっしゃっていただけたのは救いでした。また、「プロコーチとしてこうあるべき」という理想形を学ばせていただいたとも思っております。部下をコーチングするとき、相手のために「解を出さない在り方」であることが、いかに大事なのかを学びました。本当にありがとうございました。[文]平谷愛 [編集]外賀陽春