【課題・導入背景】・パーパスや企業理念の刷新にあたり、働く社員のマインド変革や行動変容を促進したい・技能社員(課長職)にコーチングを受講いただくことで、工場組織全体に対話型のコミュニケーションを促したい【導入内容】・1on1コーチング(技能社員工場社員、課長層向け)・グループセッション【成果】・技能社員(課長職)の内省の深まり、リーダーとしてのビジョン設計・メンバーとのコミュニケーション・アプローチの変容・成長促進による対象者メンバーの昇格変化の激しい時代、社会のニーズを捉えながら、企業理念や組織の在り方を見つめ直す企業も多いのではないでしょうか。コクヨ株式会社は、新しい社会課題に対してどう立ち向かうかを打ち出すべく、パーパスや企業理念を見直し、2021年に長期ビジョンを策定しました。そのビジョンを実現するべく、人と企業が同時成長できる組織を目指していくなかで、注目されたのが、コーチングの活用です。今回のコーチングの対象は工場で勤務する技能社員。年中ラインが動いていて日々忙しく働く技能社員に対して、どのような考え方でコーチングを導入されたのでしょうか。ヒューマン&カルチャー本部 HR戦略推進部 グローバル企画推進ユニットの山口さんと木村さんに、コーチング活用における視点や、コーチングによって起きたマネジメントの変化について、お話をうかがいました。新たな企業理念を掲げ、世の中にヨコクしていく会社へーーはじめに、コクヨの事業概要や組織文化について教えていただけますか?木村さん:コクヨは、キャンパスノートをご提案するステーショナリー事業、オフィス空間をご提案するワークプレイス事業、並びにオフィス通販事業の3本柱で事業を行っております。また、グローバルや新規事業についても積極的に取り組んでいます。組織文化としては、対話を通じて人の価値を引き出し、人と組織の同時成長を意識しながら人材育成に取り組んでいます。山口さん:コクヨの社員の強みは、共感共創です。お客様のために課題を発見して、そこに対して誠実かつ創造的に取り組んでいくことに価値を置いています。ーー人と組織の同時成長を大切にされている背景には、2021年に打ち出された長期ビジョンが関係しているとうかがいました。山口さん:コクヨのこれまでの既存事業には、仕組みが回れば利益につながる構図がありました。ただ、ここ長年売上は横ばいで、つまり、私たちが世の中に提供する価値の広がりは、あまり変わっていなかったんです。コクヨには、創業の頃から「黙々と目の前の業務に真摯に向き合い、いかに価値を提供するか」という不言実行の精神がありました。でも、コクヨとして「社会に対して新しい価値を提供していきたい」という想いを、世の中や社員に対してしっかりヨコクしていきたいと考えました。そのために、パーパスや企業理念を変更して、自分たちが何をしたいのか、新しい社会課題に対してどう立ち向かうかについての長期ビジョンを打ち出し、そのビジョンを実現できる組織風土に切り替えていこうと取り組みはじめました。トップダウンの工場運営に、コーチングの力で対話をもたらすーー今回、なぜ1on1コーチングを導入しようと考えられたのですか?木村さん:企業理念の変更にあたり、事務社員については対話を大切にして1on1の研修を進めてきましたが、技能社員にはトップダウンの組織文化が強い状態でした。事務社員だけでなく、技能社員にも対話の重要性を認識してもらいたいと考えたのが背景の1つです。山口さん:工場の運営としては、いかに品質高く、安全に、生産性高く作っていくかを非常に大事にしてきました。そこは今も大事に続けていますが、事業領域を広げていくステップに入り、1つの工場で、既存の商品ラインと合わせてまったく違うタイプの商材を作る動きが起きている。そうすると、現場での一人ひとりの工夫や課題解決が大事になってくるんですよね。品質や安全性はもちろん大事にしながら、自律的に考えて仕事を変化させていける状態を作っていきたいと考え、コーチングに着目しました。ーー今回、コーチングの基礎トレーニングとしてグループセッションも導入いただきましたが、導入背景を教えてください。木村さん:今回の導入にあたり、私ども人事も含めてコーチングを受けた経験が少ないなかで、「コーチングってなに?」という状態から、内省を深めてもらえるだろうかとハードルの高さを感じていました。そのため、コーチングを受けることとセットで、グループセッションという入り口を設けてリアルで集まり、コーチングを実践することも含めて展開しました。一緒に取り組むメンバーが相乗効果を生み出せる環境を持つことで、それぞれ内省を深めながらみんなで一緒に成長していく雰囲気を作りたいと考えたんです。ーーコーチングにどのような期待をされていましたか?木村さん:技能社員それぞれが、自身の内省を深めることをポイントとしておりました。これまで上からの意向のまま進めることが正解だったのに、いきなり「これからは自身の意思を持って変化し、挑戦に向き合うことを大切にしよう」と言われても、困ってしまうじゃないですか。プロのコーチに伴走していただくことで、技能社員にとって自分はどう在りたいのか見つめ直す機会にしてもらいたかったのが、今回の取り組みの1番の肝になります。山口さん:やっぱり1DAYの研修だと、ただの知識のインプットで終わってしまうので、ある程度の期間コーチに伴走してもらいながら自分で考えて実践をし、それを振り返って次につなげる過程を大切にしたいと考えました。コーチとの対話のなかで、自分だったら現場の課題をどう解決していくかを整理したり、自分のやれていること、やれていないことを振り返り、実践と内省を組み合わせて次の自分を見つめていくことが今回のプログラムのポイントだと思っています。また、コーチングの体験をマネジメントで活かしてもらうことも期待していました。工場のラインは基本的に1年間まわっているので、技能社員に向けた研修って限られるんですよね。そのなかでも、コーチングのいいところは、2、3分の話し方だけでも変えられる。これまでコミュニケーション方法について考えたことがなかった方も、コーチングを実体験することで、自身の話し方に応用できると考えました。伝えるだけのコミュニケーションから、問いかけができるようにーーコーチング導入後、どのような変化がありましたか?山口さん:コーチングを受けた技能社員たちが、深い内省ができたり、リーダーとしての姿を考えられたのとセットで、メンバーに対してコーチングを使えるようになったのが1番のポイントです。弊社の工場の課題感として、高年齢化が進んでいるので、いかに若手を次のステップに引き上げていくかが非常に重要でした。今回の取り組みでは、工場のなかでも上の階層が対象となっていたので、1つ下の階層の方に対するコミュニケーションが変化したのはすごくプラスだったと思っています。木村さん:プログラム参加者からは、メンバーに対して業務を指示するとき、いつも伝えるだけで終わっていたところから、「なぜだと思う? 」とか、「どう取り組んだらいいと思う? 」と問いかけができるようになったと聞きました。会話する時間は長くなっているかもしれませんが、将来的に見るとこの時間が大切だと自覚して取り組んでいただいていると実感しています。山口さん:他にも、今まで会話が難しかった人たちとのコミュニケーションを意図的に取ることで、コミュニケーションスタイル自体が変わったという声も聞いています。このプログラムを経て昇格した社員もおり、自分の意識が変わっていくことで、これまでの職業人生のなかでターニングポイントになったと感じている社員もいるようです。木村さん:グループセッションを通じて、工場間を越えて悩み相談やアドバイスしあえる横の関係性が築けたというのもよかったですね。私自身、コーチングセッションを受けさせていただき非常に内省が深まったので、個人的に契約させて頂こうとも思っていて。ZaPASSさんに対する信頼が厚くなった1年でした。社員一人ひとりが前向きに、ヨコクを持てる組織へーー今回、コーチングを初めて導入いただく中で、ZaPASSをお選びいただいた理由はどんなところだったのでしょうか?木村さん:一つは、コーチ陣の層の分厚さです。今回の取り組みは技能社員が対象だったので、ZaPASSの登録コーチの中には過去に技術系社員の担当実績のあるコーチもいて、安心感が持てました。もう一つは、プログラム策定から柔軟にご協力いただけた点です。他社様だと、コーチングのみだったり、パッケージが決まっていることが多かったですが、ZaPASSさんにはどう進めていけばよいかゼロからご相談に乗っていただけた点が、非常にありがたかったです。導入開始後も、担当の藤田さま(ZaPASS 法人事業部)に柔軟に対応いただけたのがとても助かりました。今回サービスを受けた全員が、初めからコーチングに対して前向きだったかというと、正直そうではなかったと思います。ただ、コーチの方がうまく引き出してくださったり、藤田さまがフォローしてくださったおかげで、こちらの手がまったくかかることなく、みなさん前向きなマインドで取り組んでくれました。山口さん:私も、丁寧に伴走いただいて、本当にポジティブな印象を受けていました。そこに加えて、プログラムを柔軟に組み替えられたのは特によかったです。定期的に打ち合わせを行い、予算に応じて期間や回数などを設計させていただいたのは、本当にやりやすかったと思っています。また、定期的なアンケートやレポートなど細かいケアをしていただいたことは人事として非常に助かりました。現場の上司陣と育成について話す際に、研修で社員が課題と感じていることを、レポートを前提に議論ができたので、非常にありがたかったです。ーー人事担当者として、コーチング施策を導入する上でどのようなことを意識するとよいと思われますか?山口さん:一番大事なのは、スタートです。コーチングはあくまでもその人のマインド次第なので、少しでもコーチングを使いたいと思わなければ、適当に終わらせることもできます。上司からいかに動機付けするか、期待を伝えるかを工夫すると、コーチング自体が受け入れられやすいと思っています。また、コーチングを受けて、その人の考え方やリーダー像が変わっていくことは一つの価値ですが、それだとその人だけで終わってしまうじゃないですか。なので、コーチングを受けた人を起点にしながら、組織開発的にどう広げていくかが大事だと考えています。課長が係長へコーチングしていくと、その関わりが風土となって、また次のスタッフに使っていく。そうやっていかに循環させるかが大事だと考えています。ーー最後に、今後のコーチング活用について展望をお聞かせください。山口さん:コクヨのパーパスは、“ワクワクする未来のワークとライフをヨコクする。”というもの。この“ヨコク”を社員一人ひとりが持てるように、というのが今目指してるところで、コーチングとの親和性がかなりあると感じています。コーチングで自分の考えが引き出されて、それを実現まで持っていく。このサイクルを回していくことが、社員一人ひとりのヨコクにつながっていく。企業理念の“be Unique.”が大文字ではなく小文字始まりなのも、理由があるんです。”Be Unique(ユニークであれ)”だと、私たち社員に向けた言葉になってしまいますが、そうではなくて、世の中を“be Unique”にしようという想いを込めていて。コーチングを通じて、細かい改善点からでも、社員一人ひとりのアイデアが引き出され、形になっていく。そうやって、チームの中でアイデアを出し合って、より良いものをつくっていくというプロセスが、世の中を“be Unique”にする創造性を育んでいくと信じています。[取材]藤田直樹 [文]橋野貴洋 [編集]大門史果 [撮影] 伊藤圭--------◾️【法人でのコーチング活用に興味がある方はこちら】▼法人向けコーチングサービス『ZaPASS for Enterprise』・1on1コーチングプログラムhttps://zapass.co/business-coaching・コーチング研修プログラムhttps://zapass.co/business-coaching/training▼資料請求フォームhttps://zapass.co/business-coaching/request▼その他の法人でのコーチング活用事例https://zapass.co/blog/tag/case-business--------◾️