【課題・導入背景】・組織が急拡大しており、新卒研修以降の研修やサポート体制を手厚くするべく、研修施策を模索していた・実務に生きるような特定のスキルよりも汎用性のある支援を提供することで、成果物やコミュニケーションの質を高めたい【導入内容】・1on1コーチング(役員、及び一般的な管理職に当たるバンド4、5のメンバーのうち希望者)【成果】・自身のビジョンの明確化、ビジョンに沿った行動の促進・メンバーとのコミュニケーションにおける関わり方の変容(対話の型・引き出しが増えた)・中長期的に継続することで、より高い目標にチャレンジできたり、コミュニケーションの質が高まったりして、組織全体が良くなっていくだろうという手応え「後払い決済サービス」の先駆けとして2002年に「NP後払い」の提供を開始した株式会社ネットプロテクションズ。累計取引数は4.4億件を超え、BtoC取引向け国内BNPL決済サービス市場において、シェアNo.1(※)を誇ります。その経営スタイルもまた先進的で、自律・分散・協調を実現する「ティール型組織」を採用。マネージャーの役職を廃止し、代わりに職務グレードを細分化しない5つのバンドによる「グレード」(バンド制)を導入しています。「つぎのアタリマエをつくる」をミッションに、社員の自己実現と社会発展の両立を目指すなかで課題となったのは、組織の急拡大による統制の難しさ。そこで組織全体の底上げにつながる汎用的なスキルを提供したいと、ZaPASS法人向けコーチングサービスを役員とバンド4、5の上位メンバーに導入。人事総務として本サービスの導入を担当した酒井 美佳さんに、導入後の変化を聞きました。※ネットプロテクションズ推計(加盟店ベース)。2021年1月7日付通販新聞掲載の「第75回通販・通教売上高ランキング」に掲載されている300社のうち、高額商品を扱う企業を除いた239社における後払い導入済み企業166社が調査対象(2020年3月1日時点)。ティール型組織で「社員の幸せ」と「会社の発展」を追求――御社は「つぎのアタリマエをつくる」をミッションに掲げ、「ティール型組織」や「バンド制」といった独自のスタイルを導入されています。これらは、どのような組織モデルですか?ティール型組織は、その概念として言われる「自律・分散・協調」のキーワードがベースにあります。一人ひとりが自主的にやるべきことに邁進するアントレプレナーシップを養いながら、「社員の幸せ」と「会社の発展」の両立を目指しています。そのためには全員が経営視点を持って行動する必要があると考え、特定のメンバーに恒久的に権限・責任が集中する、役職としてのマネージャーを廃止しました。代わりに、各部署における「情報」「人材」「予算」の采配権限として「カタリスト」という役割を設置しています。カタリストはチームに複数名いることもあり、各期で流動的に変更もできます。さらに、職務グレードを細分化しないバンド制を採用し、社員には1〜5のいずれかのバンドが割り振られています。キャプション:マネージャーを廃止して「カタリスト」を導入――これらの組織モデルの導入によって、どんなカルチャーが生まれていますか?一方的な命令や指示が出されるのではなく、基本的に各人が会社の状況を踏まえて、今やるべきことを選択しています。一方で周囲のメンバーも、常日頃から1on1などを通して、一人ひとりが歩みたいキャリアについて把握するよう努めています。何かプロジェクトを組む際は、本人が望むキャリアとマッチするような社員をアサインするよう配慮しています。日々のすり合わせを通して、本人の意向を大事にする風潮です。――自主性を重要視するカルチャーがあるのですね。酒井さんはどんな役割を担っていますか?人事総務グループに所属し、なかでも採用後の業務をメインとしています。新卒社員向けの研修、中途社員向けのオンボーディング、全社員対象の研修などの設計、加えて人事制度の改善にも携わっています。組織のなかで、いかに社員に活躍してもらうのかを制度面からサポートする役割ですね。組織の急拡大による、”ひび割れ”を懸念していた――今回、なぜコーチングを導入しようと考えられたのですか?組織が急拡大するなかで、一人ひとりのフォローが手薄になったり、コミュニケーションが以前と比べて密に取りづらい状況が発生したりしていました。当社は毎年約30名の新卒社員と一定数の中途社員を採用しており、徐々に組織を拡大してきました。ただ、2022年から2023年にかけては中途社員を非常に多く採用していて、組織拡大のスピードが通常の倍ほどになっていたんです。組織の急拡大も相まって、自律や協調を意識しすぎて本音のフィードバックや意見交換ができていないという声も聞くようになりました。より高みを目指すには、時に厳しさを伴うフィードバックや本音での対話が求められると思いますが、遠慮しがちというか……。本当の意味での心理的安全性を、実現しづらい状況でした。また社内で実施している研修に関しても改善の余地を感じていました。新卒社員が入社後すぐに受ける初期研修は他社と比べても手厚いと思っていますが、それ以降のフォローや研修は手薄で、「あとは自分でがんばって」と自走が前提になっていました。「何か手を打ちたい」と考えをめぐらせるなかで、たどりついたのがコーチングでした。営業のノウハウやエンジニア向けの技術習得など特定分野のスキルを学ぶものでは、その場限りになってしまうかもしれない。もっと汎用的で人の深い部分に触れるようなサポートを提供したいと思いました。徐々に一人ひとりのマインドが変わっていくような。――組織に”ひび割れ”のようなものが見えていたわけですね。複数あるコーチングサービスのなかで、ZaPASSにご注目いただいた理由は何でしたか?一番は、受講対象者とコーチの相性を重視されていた点です。私は、以前他社のコーチングを受けた経験があるのですが、コーチとの相性がサービスの質を大きく左右すると感じました。コーチの言葉が響くかどうかは、フィーリングの良し悪しが関わるのだろうなと。ZaPASSさんはその点に注力しているため、より効果的なコーチングを提供いただけると考えました。9割近くの社員が「行動変化」を認識――今回、役員と上位バンドである4、5の社員18名に対して、全7回のセッションを実施しました。導入前の課題や期待を踏まえ、どのような変化が見られましたか?コーチングを受けた私の先輩は、「コーチと一緒にネクストアクションを決めた」とその内容を共有してくれました。その後は自主的に勉強会を開催したり、中途入社の社員と積極的にコミュニケーションを取ったり、実際に行動を変えている様子が見られました。――当社が提出したレポートでは、9割近くの方が行動変化につながったことがわかりました。レポートを見て、どんなことを感じられましたか?私が実際に話を聞いて、行動の変化を近くで感じたのは直属の上司だけでしたが、アンケートの結果を見ると、上司と同じような変化が他の社員にも起きていたようですね。レポートでは、セッション自体の満足度の高さや継続を希望する人が比較的多いことも示されていました。ここから得られた理解は、「第三者に話を聞いてもらう」という手法自体を嫌がる人は、あまりいないのだということ。私は人事総務として全社に対してどんな研修を提供すべきかを悩んでいましたが、「社員に聞いてみればいいんだ」と気づけたというか。当たり前のことなのですが、ヒアリングすれば、みんな意見を言ってくれるのだなとホッとしたんですよね。――人事目線での満足度はいかがでしたか?一人ひとりの行動変化が定量的な結果に結びついたかどうかでいうと、現段階で明言するのは難しいですね。ただ、継続して変化を積み上げることで、コーチとの信頼関係が深まり、新しいチャレンジに挑める社員が増える気がしています。また、コーチとの対話を通じて、他者の本音を引き出すコミュニケーションができるようになるかもしれません。6カ月を超えて長期的にセッションを受ける社員が増えると、会社にプラスの影響が出てくるのではと思います。コミュニケーションの質が上がると、組織はどう変わる?――社員のチャレンジ精神やコミュニケーションスキルが向上すると、組織はどのように変化していきそうでしょうか?社員一人ひとりの熱量が高まり、かつコミュニケーションが円滑になると、自分が今やるべきことを深く理解して、実践できるようになると思います。結果的に、個人と会社の両方の成果を追求できる体制が整うだろうと期待感があります。――御社が目指す「社員の幸せ」と「会社の発展」の両立につながっている感じがしますね。まさにそうですね。本音を言いづらく、いい意味での厳しさがない環境では、大事なことを見落としてしまうだろうと。各人が成熟した状態を作っていくには、本人の努力はもちろんですが、他者との関わりによって成熟をサポートできる体制も必要です。一人ひとりの意欲を育て、やりたいことを実現していける環境はコミュニケーションによって育まれていくのだと思います。会社が社員を大事にするという土台は整っているので、あとは社員側がどれだけやるべきこととやりたいことを重ね合わせていけるか。またそのためにやれることをどれだけ増やせるかが今後大事になってくると思います。個人の成果が出る→会社の売上が上がる→社員に循環するという良いループが回る状態になれば、両者の相乗効果が生まれていくはずです。――最後に、コーチングの導入に興味があっても上司や経営層の理解を得るのが難しいと感じている方に、メッセージをお願いします。自分自身の言葉で施策導入の効果が語れるように、まずは経験をしてみるのがいいのではないでしょうか。コーチングは効果測定が難しいことから、どうしても実務に直結する研修に投資しがちなのは、どの企業にも言えることかもしれません。他者を説得するには、体験によって起こった変化をリアルに話せるようになると、理解が得やすくなると思います。研修の棲み分けを明確にするのも良いかもしれません。実務に直結するような研修は内容の決定を各部署に任せる。一方、人事は社員の「勉強したい」という意欲を育てたり、実務研修の効果や浸透を下支えするようなサポートを提供したりする研修を提供する。多少時間はかかりますが、そういった概念があることを浸透させるステップから始めるといいのではないでしょうか。あまり難しく考えず、まずは身近な1人に理解を促すところから始めてみてください。私の場合は運が良かったのですが、2名いる上長のどちらもコーチングの導入に好意的で、経営層への橋渡しも引き受けてくれました。「いいよね」と言ってくれる仲間を増やせると導入しやすくなるはずです。[取材]足立愛樹 [文] 小林香織 [編集] 岡徳之 [撮影] 伊藤圭--------◾️【法人でのコーチング活用に興味がある方はこちら】▼法人向けコーチングサービス『ZaPASS for Enterprise』・1on1コーチングプログラムhttps://zapass.co/business-coaching・コーチング研修プログラムhttps://zapass.co/business-coaching/training▼資料請求フォームhttps://zapass.co/business-coaching/request▼その他の法人でのコーチング活用事例https://zapass.co/blog/tag/case-business--------◾️