大谷旅人さん(画像左)、鈴木裕斗さん(画像中央)、田中慎さん(画像右)【課題・導入背景】・組織の急拡大に伴い、意思疎通が困難に・経営陣の組織や事業への想いを言語化し、組織全体に伝える必要があった・緊急度の高いタスクに追われ、経営チーム内で互いの成長や考えの変化について開示する時間が取れていなかった【導入内容】・1 on1 コーチング(経営陣)・グループコーチング(経営陣)【成果】・経営チーム内のビジョン共有と相互理解の促進・ビジョン伝達、意思疎通がしやすい組織の礎の確立・経営陣3人の視座が高まり、器の大きいチームへと成長「30人の壁」という言葉をご存知でしょうか。ベンチャー企業において、組織拡大と共に社内の意思疎通が難しくなり、共通認識にズレが生まれる現象のことを指します。「時間をふやす」をビジョンに掲げ、副業/複業人材向けのプラットフォームやデジタルマーケティング支援サービスを運営する株式会社overflowも、組織の急拡大に伴う課題感から、2021年末にZaPASSにて経営陣3名の1on1コーチングとグループコーチングを実施。「コーチングを通して経営陣の自己開示が促され、意思疎通がしやすい組織の礎ができた」と話すのは、同社代表取締役CEO鈴木裕斗さん、代表取締役CPO田中慎さん、そして取締役CTO大谷旅人さん。それぞれのビジョンとルーツを言語化し共有したことで、経営陣が一枚岩となり、組織にもいい影響があったといいます。コーチングによる変化の軌跡を伺いました。急拡大してきた組織に必要だった立ち止まる時間――最初にいただいたのは、経営陣へのコーチングに関するお問い合わせでした。そのとき持っていた課題感について教えてください。田中さん:当時は組織が急速に拡大していった時期で、このままでは走り切れないのではないかという思いがありました。それまでは経営陣3人を中心に、組織や経営よりまず事業を優先してきました。しかし、メンバーが増えるにつれて、私たち経営陣の組織や事業への想いを言語化し、それを組織全体に伝えることが必要だと感じるようになったんです。自分たちではやったことのない分野なので、依頼した方が良さそうだと思ったこと、周りでもエグゼクティブコーチングを利用する人が増えていたことから、サービスを検討し始めました。足立さん(弊社代表取締役CEO)とは、同年代の起業家が集まる飲み会で会ったことがあり、SNSでの発信を見ていたんです。経営や組織だけでなく事業を進めていくことに関しても経験や理解のある人の方が信用できるし、机上の空論で終わらずにコーチング導入を進められそうという仮説のもと、お願いしました。――田中さんからコーチング導入の提案があったとき、どう思われましたか?大谷さん:やってみないとわからないので、やったらいいじゃん、と最初は軽い気持ちでしたね。それまでずっと、我々経営陣3人が背中合わせでやってきましたが、その過程で生まれるお互いの成長や考えの変化について開示する時間は取れていなかったので、そういう機会は必要かなと思っていました。鈴木さん:ぜひやりたい、と思いましたね。緊急度の高いタスクに追われていて、自分の思考を言語化する時間が取れていないことは課題に感じていましたが、強制的にでも時間をとってくれないとどうしてもできない状態だったので。田中さん:2人に提案したときは、そんなに緊急の事柄だとは認識していませんでしたが、今振り返ると、緊急度高かったんだな、あのときやってよかったなと。抽象度の高い話なので、当時は緊急度の判断が難しかったのだと思います。でも、提案してみたらみんなすぐやろうとなったので、薄々は課題に気づいていたんでしょうね。ブレない軸が言語化でき、メンバーへの自己開示も促進された――御三方には、同じコーチで3回ずつ、組織や事業をテーマにコーチングを受けていただき、最後に3人でのコーチングを1回受けていただきました。その感想や変化について教えてください。大谷さん:今まで自分が考えていたことが文字化できたこと、そして、それと会社としての方向性が繋がったことが良い体験でした。もちろん、自分の考えと会社の方向性に繋がる部分があるから仕事をしているんですが、言語化したり可視化する時間はなくて。コーチングを通して見えてきた部分は、全部自分が喋ったことそのままなので、腹落ち感もありました。田中さん:やっぱり、ブレない軸ができたのが一番よかったことです。コーチング内での対話をロジックツリーのように整理していただいたので、それによって考えを構造化できましたし、再度見直すことでいつでも立ち戻れるようになりました。また、自己開示のための説明コストが下がりました。組織の人が増えれば増えるほど自己開示が大事だと考えていて、それを効率的にできるようになったんです。特に、なぜ経営をするのかという思想と、もう少し具体の事象に対する自分の考えをつなげて伝えることが、やりやすくなりましたね。以前までは、経営会議や合宿でも事業に関するHowの話が中心で、我々3人の中でそれぞれの想いを共有することもありませんでしたが、コーチングを通して共通する部分を確認できました。鈴木さん:説明コストは大きく下がりましたね。今回のコーチングの映像や、対話の内容を整理したロジックツリーは、社内のメンバーなら誰でもいつでも見れるようにしていて。スケールすればするほど、メンバー視点だと経営者が何を考えているのかわからないという問題が生まれてきます。でも、コーチングの資料はまさに自分たちがどんな人かを凝縮したものになっているので、デリバリーコストが下がり、意思疎通がしやすい組織の礎になったと思います。――それぞれの想いが言語化されたことで、組織にも良い影響があったんですね。コーチングを受けて感じたことに関して、他にはありますか?鈴木さん:コーチングは、我々3人の人としての器を成長させてくれた時間でした。会社の事業のグロースのスピードや高さを決めるのは、経営者の器の大きさや視座の高さだと思っていて。担当してくれた岡村コーチは、メタアップの問い*で、これ以上上がらない、というところまで視座を上げてくれるんです。一度言葉にしてしまえば実現できるんですよね。引き寄せの法則というか、言葉やイメージにするとこまでは難しいんですけど、イメージできたらそれが計画に変わって、実現できる。目指す方向を高い視座でイメージできるようにコーチがサポートしてくれたことが、僕らの器を大きくしてくれたと思います。*メタアップの問い:思考の抽象度を上げていくことを促す問いかけのアプローチ課題の本質を見極め、最適なプランを提案してくれた――ZaPASSのコーチングサービス導入は、どのような体験でしたか。鈴木さん:柔軟にプランを提案してくれた点がよかったです。当初は、経営陣それぞれとコーチの1on1コーチングのみの予定でしたが、初回コーチングが終わってから、足立さんに、最後に3人でのグループコーチングを実施することを提案されて。僕らの課題と、それを解決するためのアプローチを見極めて、既存のプランに固執せずに提案してくれた。その変更から得られた価値も大きかったので、寄り添った上で、本質を見抜き、柔軟に提案してくれたことがよかったです。田中さん:あとは、岡村コーチとのマッチングが最高でしたね。経営陣3人は論理が強い人間なので、ロジックツリーを用いたコーチングとの相性がよかったです。すべてのコーチがその方法を使うわけではないと思うので、自分たちに合うコーチを選んでくれたんだなと思いました。コーチング内で使ったロジックツリーやマインドマップなど、残るものがあったからこそ振り返りもしやすくて、それもありがたかったですね。人生をより豊かにするために。“自由と責任”を渡し、人格的成長をサポート――3回ずつの1on1コーチング、そして最後の3人でのコーチングを通して言語化された理想の組織の状態について教えてください。鈴木さん:メンバーに人格ごと成長してほしい、そのために、自由と責任が一人ひとりに渡されている状態を作りたいと思っています。人格的成長を重視している理由は、あくまで仕事は人生の一部でしかない、そして、人格的成長こそが人生をより豊かにすると考えているからです。仕事は人生の一部でしかないけれど、その大半を費やす仕事が人生に与える影響は大きい。仕事が人生に与える影響はいいものであってほしいので、仕事を通して人格ごと成長することができれば、人生をより豊かにできそうだなと。成長するための方法は他にもあるかもしれませんが、自由と責任を渡すことを大事にしているのは、人格ごと成長するにはこの2つの組み合わせが一番効果的だと思っているからです。僕自身を振り返ると、自分で考えて、リスクをとって動いたときに成長したし、それによって結果が得られたときに成長実感があったなと感じていて。自由と責任を渡すことで、そんな成長機会を全メンバーに提供したいと思っています。――理想の組織を実現するために今取り組んでいることはありますか。鈴木さん:自由と責任が込められた成長機会をどれだけ増やせるかを、今まさに考えています。自由と責任が一人ひとりに渡されている状態を作るためには、情報の透明性、権限委譲、性善説組織の3点が大事な要素だと言語化していて。組織に入るオンボーディングで最初に見てもらうドキュメントにも、この3点を記載しています。組織が半年で15人から30人と倍になったことで、中間管理職も増えました。マネジメントの機会は、人格的に成長するチャンスなので、やりたいと手を挙げてくれる人、やってほしいと思う人にどんどん機会を渡していきたいです。鈴木さん:また、経営陣が積極的に自己開示していくことも大事だと考えています。組織の構造上、自然に起こってしまうことではありますが、経営陣は何を考えているんだろうという思いをメンバーはずっと抱えていると思っていて。でも、経営陣が考えていることが100%わかれば、メンバー自身がそれに対してアイデアを考えて提案することもできます。経営陣が自己開示していくことで、成長機会を僕らが与えるだけでなく、メンバーから提案してもらえるようにしていきたいですね。個、組織、事業、ミッション・ビジョン・バリュー。すべてをつなげてエネルギーを循環させる――現在組織も急拡大中とのことで、メンバーとして一緒に働きたいのはどんな方ですか?鈴木さん:BizDev領域がグロースのフェーズに入ったこともあり、すぐにお任せしたい場所がたくさんあります。“やらなきゃいけない仕事”はもちろんありますが、それをやるだけで達成感を得られる人は、うちには合わないと思います。30人弱程度の組織なので、やれていないことをどんどん切り開いていきながら、機会、制度、カルチャー、全部作っていくぞという気概をもって入ってきてほしいですね。田中さん:鈴木さんの仰るとおりですが、あえて付け足すならば、覚悟の決まっている人と働きたいですね。自分を客観視した上で、今これを覚悟決めてやらないとダメだ、という決意がある人。さらに言うと、自分の役割や枠にハマりすぎないのも重要だと思います。職種とか枠にはめてもらってそれを全うするのも大事ですが、企業規模がまだ大きくないので、枠から外れてでも自分で考えて、なんとかしてやろう、という考えの人と働きたいです。――最後に、御社の組織の今後についてお聞かせください。大谷さん:提供している事業と作りたい組織が一致している状態を大切にしていきたいです。副業のプラットフォームを提供しながら、組織内も副業メンバーが多く、正社員30名に対して、業務委託・副業が100名くらい。ここまで事業が目指す世界と組織が一致しているのはユニークだと思います。鈴木さん:そこから生まれるエネルギーは大きいですね。一致しているからこそ、事業のお客さまだった方が、組織メンバーの候補者に、そして副業メンバーに、と正の循環が回っている。実は以前、資金調達した際に、副業NGのルールを出したんです。それを発表したとき、めちゃめちゃ変な空気が流れて。あれは、ミッション・ビジョンと行動が一致していることの重要性を意識させられた瞬間でした。頭ではわかっていたけれど、致命傷になるくらい大切なんだ、と。個々のエネルギーが大きくても、そのベクトルが放射状になっていると、全体のエネルギーはゼロになってしまいます。その方向性を束ねるのが、ミッション・ビジョン・バリュー。個、組織、事業、ミッション・ビジョン・バリューのつながりを大切に、個と会社のエネルギーを爆発させていきたいです。[取材]足立愛樹 [文]蛯名健人 [編集] 大門史果 [撮影] 伊藤圭コーチングの法人導入に関するお問い合わせはこちら--------◾️【法人でのコーチング活用に興味がある方はこちら】▼法人向けコーチングサービス『ZaPASS for Enterprise』・1on1コーチングプログラムhttps://zapass.co/business-coaching・コーチング研修プログラムhttps://zapass.co/business-coaching/training▼資料請求フォームhttps://zapass.co/business-coaching/request▼その他の法人でのコーチング活用事例https://zapass.co/blog/tag/case-business--------◾️