価値観が多様化し、正解の見えない時代だからこそ、自分の本心と向き合い、理想をデザインする力が今求められています。そんな中、コーチと共に理想を育み実現していくコーチングサービスZaPASSでは「#私のコーチ」という企画をお送りしています。今回お話を伺ったのは、IT・SaaS営業人材育成キャリアスクールを運営するZENFORCEのCEOである荻野 嶺さんです。荻野さんは「人が幸せになるための意思決定を後押しする」ことにやり甲斐を見出し、ZENFORCEを立ち上げました。しかし、少しずつ目の前のことに追われるようになり、やがて「会社の意思決定に人生を振り回されている」と悩みを抱えるようになったそうです。そんな荻野さんにとって一筋の光明となったのが、ZaPASS登録エグゼクティブコーチである岡村優介さんとのコーチングでした。コーチングと出会い、荻野さんにどのような変化があったのかを伺いました。【荻野 嶺さんプロフィール】2015年に伊藤忠商事へ入社。金属資源部門で経営企画や事業開発に携わり、赴任先のシンガポールで石炭の三国トレーダーとして、各国の市場を新規開拓。2020年に帰国後は、スタートアップ向け人材紹介企業のfor Startupsにジョイン。同年12月に独立してZENFORCEを創業し、代表取締役CEOに就任。自身の幸せと、他者貢献を共に追求していくこと。コーチングを経て気付いた新たな幸せの形――荻野さんは「人が幸せになる意思決定を支援して心からやりがいを感じた」とおっしゃっていましたが、他者貢献をしたいという気持ちは前々からお持ちだったのでしょうか。学生の頃は正反対で、「お金持ちになりたい」、「モテたい」、「すごいと思われたい」みたいなことばかり考えていました(笑)。そんな動機で伊藤忠に入社したのですが、その目標を達成してみてはじめて、そこには自分の幸せがないことに気付き、疲弊していきました。外側は満たされても、心は疲れ切っていく一方で。そうした理由から、転職してfor Startupsにジョインしました。そこでは大手企業に在籍しながらも、自分のエネルギーを発揮できずくすぶっている方たちをスタートアップへ転職支援する機会があり、その方たちと共感しあえたことが自分にとっても大きな転機となりました。――コーチングを受け始めたきっかけを教えてください。ZENFORCEを起業してから、メンバーが増えて少しずつ目の前のことに追われるようになり、会社としての意思決定に自分の人生全体が左右されていると感じる時期がありました。そんな折にZaPASSの代表である足立さんに話を聞いていただく機会に恵まれ、20分程度の短い時間でしたが、いい意味で内面をえぐられる問いかけをいただいたのがきっかけでコーチングに興味を持ちました。今振り返ると、ZENFORCRが過渡期を迎える前でしたので、いいタイミングだったと思います。――そのあと、岡村コーチのコーチングを受けることになり最初はどのような感触を持たれましたか?「あなたが“ど真ん中”で生きて多くの人と繋がり、貢献・影響を与えて輝き合う世界を造る手助けをします」とお話しいただいて、「ど真ん中って何だろう?」と最初はちょっと怪しく思ってしまいました(笑)。ですが、岡村さん自身の人生の背景をうかがい、また、私の話を前のめりで聴いてくださる姿勢から本気で人と向き合っている生き様を感じ、すぐに心を掴まれましたね。――コーチングではどのようなテーマが扱われましたか?どのように会社や事業を作り上げていくか、それらを通じてどのような未来を実現していくか、というビジョンメイキングからスタートし、その中で自分らしさをどのように保つか、心の安定をどのようにして得るかなど、心や精神面に踏み込むテーマが徐々に扱われるようになりました。自分のことだけを考えていても幸せにはなれないと伊藤忠で気付き、for Startupsでは人のためになることだけを考えていましたが、それだけだとやっぱり幸せにはなれない。大前提としてまず自分自身が満たされてこそ、人に貢献することができるのだと。紆余曲折ありましたが、コーチングを経てようやく両輪が整ったと感じています。具体的な事象を感覚に落とし込んでこそ、見えてくるものがある――コーチングセッションがどのように進んでいったのかを教えてください。全5回のセッションをお願いしまして、各セッションの内容を端的に表すと1回目は「激動・人生の転換期」、2回目と3回目は「自分自身のアップデート(旧来の自分からの脱皮)」、4回目は「新たな一歩を踏み出すための気づき」、そして5回目が「最初の一歩を踏み出す」という流れがあったと感じています。ビジョンを描くためのマインドマップを造るためにいかに自身の思考を整理していくか、というところからスタートしました。思考を整理するために、目の前の具体的な事象を感覚に落とし込んでいくプロセスがとくに印象的でしたね。その世界はどういうふうに見えるか、どう聞こえるか、頭、胸、腹ではどう感じるか、呼吸や意識は…と、具体的な問いかけをもらって、考えていることを感覚へ落とし込んでいくというのは、それまでに味わったことがないものでした。私はビジネスマンですし、当初はもっと具体的な話がしたいとも感じましたが、岡村コーチからは最短・最速を手放したところに大切なものがあるのだと教わりました。目の前の具体的な事象ではなく、普遍的な感覚にアプローチしていく体験は、コーチングセッションでしか味わえない感覚だったと思っています。――感覚面にスポットライトを当てるコーチングを受けて、気づいたことはありましたか?ビジネスの世界に身を置いていると、自分という存在が他者や会社、環境に溶け込んでしまっていて、外的なものに囚われているという気持ちがあったのですが、コーチングを受けてようやく自分を独立した存在として捉えられるようになりました。経営者として甘えてはいけない部分、目を背けてはいけない部分とあらためて向き合いながらも、同時に自分自身のことも大切にしようという思いも芽生えました。今は自分を追い込みすぎずに、自分と向き合う時間を確保するため、どれだけ忙しくてもジャーナリングしたり、サウナへ行くことも習慣化しました。会社や環境に囚われすぎることなく、自分自身が前に進む時間を確保することで、事業も会社も軌道に乗り始めています。未来を見据えるだけではなく、今と向き合って生きる大切さ――コーチングを受けて具体的な変化を感じることはありましたか?「背伸びせず、弱いところも見せてくれるようになった」と周囲から言われるようになりましたね。コーチングを受ける前の私は、未来だけを見て生きていました。「これで自分の未来が少しでもよくなるといい」、「5年後に今より楽ができるようになっているといい」…そんな風に、どこか生き急いでいました。コーチングを受けてからは今の自分と向き合うようになり、今の自分に足りないところと日々向き合うようになったからこそ、等身大の自分を周囲に受け取ってもらえたかなと思いますなんだか、変に背伸びせずに余裕もできて、心の部屋が増えたような感覚ですね。。――そうした弱みは、意図的に見せるようになりました? それとも自然にそうなっていったのでしょうか?元々は人の前で弱みを出すタイプではなかったのですが、コーチとのセッションで「自身の弱みを認めたり、それを少し見せてみたりしたらどのような自分になるだろう、それによってどんな気付きを得られるだろう」という問いかけをもらい、意識的に出してみる、というのが始まりでした。今となっては「敢えて見せている」のではなく「自然と出せるようになっている」という感じです。それまでの自分が、いかに背伸びしてかっこいいところしか見せないようにしていたかというのを実感しますね。――荻野さんの在り方が大きく変化した感じがしますね。コーチングがビジネスや経営に活きるという実感はありますか?そうですね。経営者の方はみなさん受けた方がよいとすら思っています。メンタルは強い方であると自覚していましたが、そんな私も危うく参ってしまうところでした。どれだけ事業内容が素晴らしくて、素晴らしいメンバーに恵まれても、企業はどうしてもトップの状態やモチベーションに左右されるものだと思います。経営の95%くらいは辛いことの連続だと思いますし、モチベーションを維持し続けるのは簡単なことではありませんが、コーチングは経営者の「心の炎」を保ち続ける手段として、とても効果があると思います。メンバーが増えれば、それだけ人の気持ちを考慮した意思決定をする機会も増えます。それは当然ながら自分だけのことを決めるよりも、ずっと難しいことです。そんな難しい意思決定の後押しにコーチングを役立てるのがいいと考えています。コーチとの出会いは、人生におけるメンターとの出会いだった――岡村コーチは荻野さんにとってどのような存在になりましたか?コーチというよりは人生におけるメンターで、私の人生に真摯に向き合ってくれた友人のような存在です。これまでの人生で一番辛いときに寄り添っていただいたので、本当に大切で、大きな存在です。岡村さんが自分自身のことを腹の底から理解してコーチングに向き合っているからこそ、本気で人と向き合えるのだと思います。コーチングという枠に囚われず、一人の人として向き合ってくれたことにとても感謝しています。――それでは最後に、岡村コーチとのセッションを終えた今のお気持ちを聞かせください。これで終わるのが寂しいな、というのが率直な感想です。自分と向き合って、いろいろな気付きを経て、自身のモチベーションに向き合う術を学んで…岡村さんとのセッションは人生の転機になっただけでなく、とても楽しかったんです。今後もコーチングの世界に触れていたいと思っており、今はZaPASSコーチ養成講座9期生として学んでいます。岡村さんの生き方は深く尊敬できるもので、自分もいつか岡村さんのようなコーチになれればと思っています。「人が幸せになるための意思決定を後押しする」というのが私の座右の銘ですが、岡村さんには私自身も幸せになるための、そして自分の人生のど真ん中を生きるための後押しをしていただきました。私に限らず多くの人に道を指し示すことができる方だと確信していますので、これからも人と向き合うことを通じて、世の中を良くしていっていただけたら、私も嬉しいです。[取材・文]山﨑浩司 [編集]横峯智子 [撮影] 戸谷信博※撮影場所:NagatachoGRiD