「コーチングは共同創造の場」人生の基軸に出合えるコーチングの構造とその奥にある価値観とは? #吉田勇佑 #垂水隆幸

「コーチングは共同創造の場」人生の基軸に出合えるコーチングの構造とその奥にある価値観とは? #吉田勇佑 #垂水隆幸

ZaPASS MAGAZINEの連載企画#私のコーチ。コーチングによって人生が大きく変化した人に、コーチに内緒でインタビューをし、その感謝の気持ちを記事にするサプライズ企画です。

今回開催されたのは、そんな「#私のコーチ」イベント第2段。第1回のイベント参加者からのリクエストに応える形で、吉田さんが垂水コーチとの実際のセッション音源を公開。その反響を受け、音源を聞かれた方を対象に垂水コーチがセッションの構造分析を行うオンラインイベントが行われました。

登壇者

吉田勇佑さんプロフィール |
株式会社CRAZY 執行役員
CRAZY WEDDINGで結婚式を挙げた事をきっかけに、夫婦揃って創業間もない㈱CRAZYに参画。人事責任者として、制度設計や社内カルチャー構築を担いながら、4年で97名の社員を“ほぼ”0円で採用。
現在は、同社が2019年2月に開業したIWAI OMOTESANDOやオンライン結婚式サービスCongrats等、複数事業の担当役員として同社の新規事業を牽引。

垂水隆幸さんプロフィール |
コーチング.com株式会社 代表取締役
ZaPASS JAPAN 株式会社 CHRO
ベンチャー企業向けの戦略・組織コンサルティングを手掛ける傍ら、プロコーチとして企業トップ、役員、起業家を中心にエグゼクティブコーチングを提供。株式会社ROXXの非常勤CHROを兼務。非営利の取り組みとしてコミュニティ・コーチング・エコシステムという相互援助システムを社会に隈なく届ける取り組みを進めている。
元レバレジーズ取締役兼経営企画室長
元㈱経営共創基盤(IGPI)のディレクター

モデレーター

足立愛樹プロフィール |
ZaPASS JAPAN株式会社 代表取締役CEO
https://twitter.com/AiKi1005
2019年2月、共同代表の管大輔と共にZaPASS JAPANを設立し、同社代表取締役CEOに就任。
ZaPASSでは3カ国拠点でのリモートチームで250名を超えるビジネスパーソンへのコーチのマッチング、100名を超えるコーチング講座受講生を輩出。ビジネスパーソンが自分の願う生き方を実現する支援している。https://zapass.co/

コーチングは、コーチとクライアントの共創である

垂水隆幸(以下、垂水)氏:最初に、わたしのコーチングスタンスをお話させていただきたくて。株式会社コーチ・エィの代表取締役社長、鈴木義幸さんの記事に、コーチングとは「『質問』ではなく『問い』を『二人の間』に置き、クライアントとコーチで『一緒に探索』しながら、クライアントの『発見』を促していくもの」とあるんですが、こちらがまさにだなと思っております。

以前の定義のように、コーチングを「相手の中にある答えを、質問によって引き出すもの」としてしまうと、コーチとクライアントの役割が二極化されて、セッションで使えるものがクライアントのリソースに限られてしまいますよね。コーチングとは、コーチとクライアント両方のリソースを最大限活用したコラボレーションの中で起きるものだと考えています。

吉田勇佑(以下、吉田)氏:共創のイメージはすごくあります。垂水さんが彫刻家で、自分は彫刻。垂水さんに削り取られて、本質が丸裸になるのを楽しんでいる感じ。『一緒に探索』という言葉がしっくりきますね。

垂水氏:セッションはクライアントとコーチのリソースの総和であり、いろいろなことで悩みながらもその都度壁を超えてきた、それぞれの経験が合わさって作り出されるものなんです。

クライアントの自己定義をアップデートする3種類の応答

垂水氏:セッション内での応答は3種類あります。クライアントの言葉を繰り返す「通常の伝え返し」、今までのセッション内のキーワードからなる「立体的な伝え返し」、そして僕の脳裏から出てきた言葉を起点とした「相互創発的な対話」です。

「立体的な伝え返し」は、クライアントの言葉を吟味しているときに現れる、過去の発話やビジョンとのつながりの言語化です。吉田さんの場合は、”坂本龍馬”、”黒船”、”着火剤”、といったキーワードですね。

「相互創発的な対話」は、クライアントの言葉に誘発されてコーチのリソースから引き出されるものです。今回だと、”リトル吉田”や、”志のインキュベーター”、”VC”など。これらは、僕のコーチ経験とビジネス領域の知識の中から生まれています。

どの応答にも共通するのが、考えて発するものではないということ。無意識の中で言葉になったものを紡いでいる感覚なんです。そんな無意識の運用を大事にしています。

吉田氏:今回公開したセッションの神回たる理由は、まさに「相互創発的な対話」から生まれたキーワードですね。自分は何者なのか、人生を社会にどう使っていきたいのか、という問いのヒントとして、自己定義をアップデートしてくれた言葉に出会った感覚。僕の生き方の基軸が見つかった1時間でした。

焦点を当てるのはやり方ではなく"在り方"。常に使命感から始める対話

垂水氏:もう1点セッションの構造としてあるのが、やり方ではなく使命感から展開するということ。

今回お聞きいただいたセッションでも、最初吉田さんはやり方の話をされていたんですね。でも、やり方に終始していたら吉田さんらしさがなくなってしまう感覚があって。

僕が“おじいちゃん”を召喚する理由はそこにあるんです。(笑)吉田さんを使命感に引き戻す。”おじいちゃん”や”坂本龍馬”、”黒船”の話にはそんな役割を持たせています。

何を考えるときも使命感に立ち戻り、そこからやり方に転換させることが大切ですね。

吉田氏:たしかに、垂水さんは初回のセッションでも、自分の活動の背景やその奥にある使命感を扱ってくれました。継続セッションや日々のシェアを重ねて、自分によりフィットするキーワードをつかんでくれているので、視点を変換するスイッチとしてよく機能している実感があります。

垂水氏:吉田さんの場合は使命感ですが、普段のコーチングでもやり方より"在り方"に焦点を当てています。悩んだり詰まったりすると、短期的な解決策としてやり方に寄りやすくなってしまう。その場しのぎのやり方ではなく、みずみずしくいられる在り方を常に問い続けています。

「志は植物」。身体感覚で捉える使命感

吉田氏:垂水さんのコーチングの中で使命感が重要だとおっしゃっていましたが、それって誰もが明確に持っているものではない気がするんです。その場合はどうされるんですか?

垂水氏:使命感が言葉になるタイミングは人それぞれです。志は植物なので、無理やり引っこ抜いたりはしません。でも不思議なことに、磨いていると自ずと現れるものなんです。

吉田さんの場合も、この回の3回前だったら本当の使命感は言葉になっていなかったと思います。まだ準備が整っていなかった。自身での活動を重ね、葛藤を乗り越えた今だからこそ出てきた志でしたね。

吉田氏:志を植物に例えるのは面白いですね。そう考えるとコーチの存在は、水として潤いを与えたり、太陽として明るく照らしたり、状況に応じては何も与えなかったり。そうして土壌を整えながら、志が開くのをじっと待つイメージでしょうか。

垂水氏:はい、使命感の捉え方はまさに身体感覚です。本物が出てきたときのびびっとくる衝撃は、言葉にせずともクライアントと共有できるんですよね。ロジックではない志の輝きと重みを、身体はわかっている。これも無意識の運用といえます。

ピュアな動機に基づいた「無意識の運用」とは?

足立愛樹(以下、足立):応答の3種類のところでも「無意識の運用」という言葉が出てきましたが、それはどのように実践するものなのでしょうか?

垂水氏:無意識からの発話であったり、使命感を捉える身体感覚であったり、これらは吉田さんの人生を前進させたいというピュアな動機において全リソースを投入しているからこそ現れるものだと思っています。

「クライアントを助けよう」という意識的な誘導は、クライアントのためにならないこともある。コーチのエゴではなく、クライアントのためにという純粋な想いが起点であることが重要です。

吉田氏:クライアントとしても、その純粋な動機がセッションの安心感と垂水さんへの信頼につながっている気がします。セッションの1時間にとどまらず、Twitterなどでの日々のやりとりの中にも、常に垂水さんのコーチとしての価値観が溢れていて。パフォーマンスじゃない、垂水さんのピュアな動機や熱意を感じますね。

垂水氏:コーチングを仕事ではなく人生と捉えているからですかね。気づいたら人を勇気づけてしまう。(笑)

足立:前半でお話いただいた構造化などの左脳的な部分と、今お話されていた無意識の運用などの右脳的な部分は、どう使い分けられているんですか?

垂水氏:構造や発達段階の知識は左脳的にインプットしますが、セッション中には右脳しか使っていません。自分の脳裏に浮かんでくるものをただ待つだけです。

セッションが始まる前にはいいことが起こってほしいと願いますが、セッション中は忘れるようにしています。願ったらあとは手放す、ってことです(笑)

無意識の運用のためにできることとしては、自身の深い内省ですかね。僕は日記を書いたりしていました。変わり続ける感情の波を感じたり、逆に昔から変わらず言い続けていることに気づいたり。そんな過程で自身の無意識に触れられると思います。

ど真ん中で生きるために。フラットな関わりから生まれる共同創造のコーチング

垂水氏:僕は、使命感を見出してど真ん中で生きることが大事だと思っていて、そんな価値観を軸にクライアントと関わっています。

率直に言いますと、クライアントを助けたいとも思っていないし、あるいは見捨てたいとも思っていない。ただ内省の空間を設けている、それだけです。

クライアントから受け取った思いと自分の知識や経験をかき混ぜ、無意識の領域から思わず出てくる言葉を紡ぐ。そこから生まれる対話を使命感にチャネルを合わせて磨き上げ、次のアクションにつなげていく。そうやって共同創造されるものが、コーチングであると考えています。

参加者からこれからのビジョンを聞かれ、「今回のセッションで得た在り方は、新しい企画はもちろん現在関わっている事業のアップデートにもつながるはず。志のインキュベーターとして空間づくりを続けていきたい」と話す吉田さんと、「強いて挙げるなら、コーチングがいらない状態ですかね。仲間内でコーチング的対話が発生して、お互いの人生のど真ん中を尊重し、創発し合えたら、世の中一気によくなりますよね」と続ける垂水さん。

お二方の関係性と、それぞれの使命への情熱から生まれる空気感を体感できた熱いイベントとなりました。

※吉田さんnote「僕が受けたコーチング音声、神回を公開します。」はこちら
https://note.com/hoichel/n/n84b19bd44193

※連載「#私のコーチ」吉田さんのインタビューはこちら
https://zapass.co/magazine/mycoach/yusuke-yoshida/

※垂水コーチのインタビューはこちら
https://zapass.co/magazine/interview/takayuki-tarumizu-2/

[文]大門史果

お問い合わせ

信頼できるコーチがいる。
信頼されるコーチになれる。